loading
TOP > デジタルソリューション > なぜ漢字は正しく変換できる? 今日に生きる日本語入力技術のルーツ

なぜ漢字は正しく変換できる? 今日に生きる日本語入力技術のルーツ


日本語の語彙・文法をワープロに教えこむことで日本語の入力を実現

『JW-10』ではまず、日本語独特の構文解析、文節の形態素解析を機能に取り込んだ。いわば、ワープロに日本語の文法を教え込んだのだ。

これに加え、辞書機能を拡充。普通単語5万4,000語、固有名詞8,000語をあらかじめ辞書機能に登録したほか、ユーザー辞書に普通単語1万語、固有名詞8,000語の登録を可能にすることで、変換精度を飛躍的に向上させた。ワープロに大量の日本語の語彙も教え込んだということだ。

それによって、文章の前後関係から適切な変換語を自動的に判断させることに成功したのだ。今日、我々がパソコンやスマートフォンでの日本語入力をスムーズに行えるのは、まさにこの技術が誕生したおかげである。

なお、1980年7月には後継機である『JW-10モデル2』が登場。編集機能や表示モニターを拡大し、価格も340万円に抑えられた。これ以降、ワープロは目覚ましい進化を遂げていく。80年代中盤に全盛期を迎えた東芝のパーソナルワープロ「Rupo」シリーズも、当然『JW-10』の系譜に連なるモデルである。

東芝パーソナルワープロ「Rupo」シリーズ

東芝パーソナルワープロ「Rupo」シリーズ

特筆すべきは、初代『JW-10』発表の時点ですでに、日本語ワープロ開発を手がけた総合研究所(当時)の森健一氏が、近い将来の伝送対応と小型軽量化を主張していた点だ。今日のパソコンやスマートフォンを見れば、その慧眼に恐れ入るばかり。

現在のパソコンやスマートフォンにも初代日本語ワープロの技術と思想が生きている

現在のパソコンやスマートフォンにも初代日本語ワープロの技術と思想が生きている

そもそも日本語ワープロ開発時に課されたミッションは、「場所を問わずに手書きより迅速な入力を実現する」ことであったという。これは今日、我々が享受している利便性そのものだ。日頃、何気なく利用しているパソコンやスマートフォンだが、「ワープロの日」に合わせて、先達の尽力に思いをはせてみてはいかがだろうか。