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なんでも接着 なんでもつながる “分子接合”で広がるIoTの可能性


なんでも接着 なんでもつながる “分子接合”で広がるIoTの可能性

この記事の要点は…

「何もないのと同じ」接合面。接着剤を使わない分子接合の世界とは?

極めて小さな分子から極めて大きなイノベーションへ。

今後、活用が期待されるのは、IoTにも関連するあの意外な分野。

金属同士、セラミック同士、あるいは金属とセラミック――これまでくっつけるのが不可能だと思えたものですら自在に“接着”できるようになったら・・・。そんな発想が、すでに実用化されているのをご存知だろうか。

同種材料であっても異種材料であっても、何でも強固に結合させてしまう分子接合技術。その名の通り、分子レベルで接着させてしまうこの技術の登場により、モノづくりの現場が今、大きくアップデートされようとしている。

プロセス面とプロダクト面で起きるイノベーション

「物と物をくっつけるというのはもともと、製造業における基本的な工程です。そこで例えば、材料Aと材料Bを接着する際、接着剤の付着を強めるために素材の表面を荒らすことがあります。これはアンカー効果といって、表層に目に見えない細かな凹凸を設け、そこに入り込んだ接着剤を硬化させることで、強い結合を可能にさせるためです。その点、今回の分子接合技術では、平滑な界面であっても分子レベルで密着させることができるのが大きな特長です」

東芝 ストレージ&デバイスソリューション社 八甫谷明彦氏

東芝 ストレージ&デバイスソリューション社 八甫谷明彦氏

そう語るのは、東芝・ストレージ&デバイスソリューション社の八甫谷明彦氏だ。分子とは物質の最小単位で、その寸法は実に1ナノメートル(1ミクロンの1/1000)程度。つまり、特殊な接合剤を挟み込むことで、材料Aと材料Bを化学的に反応させ、「実質的には何もないのと同様」(八甫谷氏)の状態で結合する。これが分子接合技術の大まかな原理である。

分子結合技術の原理

1ナノメートルの分子レベルで化学結合を起こし、接着する手法には、さまざまなメリットがある。それは大まかに、プロセス面とプロダクト面のイノベーションに分けられるという。

「まずプロセス面では、工程を短縮し、コストを抑えることが可能です。そしてプロダクト面では、従来技術では実現できない薄型軽量化、あるいは高密度化、さらに熱を伝えやすくする低熱抵抗化など、モノづくりの現場に多くの恩恵をもたらします」(八甫谷氏)


この動画は2017年6月18日に公開されたものです。

東芝がこの分子接合技術を初めて応用したのは、フレキシブル基板だ。フレキシブル基板とは、薄いプラスチックフィルムを使い、用途に応じて曲げることができるプリント配線板のことで、スマートフォンなど身近なガジェットに多く使われているもの。分子接合技術の実用化で、より薄く、低コストな基板が実現したことは、ガジェット自体の小型軽量化に大きく寄与している。

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