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ベトナムの新たなる動脈へ 最先端の情報処理技術が適用された高速道路


ベトナムの新たなる動脈へ 最先端の情報処理技術が適用された高速道路

この記事の要点は…

バイクが主流な移動手段だったベトナムで起きている変化とは

大都市ホーチミンと首都ハノイをつなぐ全長1,811kmの高速道路

ETCだけじゃない! 高速道路を支える技術

グローバル化の波の中、日本は経済成長を遂げつつある国々に、社会インフラで培った経験と技術で貢献している。その一つの例が、1990年以降のGDPの伸びが世界最速であるベトナムだ。

ベトナムの高速道路

ベトナムでは現在、全長1,811Kmの高速道路建設が進められている。その中でも、ベトナム最大の商業都市ホーチミンから、その東側の工業発展の著しいドンナイ省に伸びる約55Kmの区間は、これまで3時間かかっていた道のりを1時間に短縮した。この区間に採用されたのが、日本のITSシステム(高度道路交通システム)だ。

これは東芝をリーダーとする日系コンソーシアムが、日本企業として初めて海外向けに開発したITSパッケージで、ベトナム高速道路公社から受注した大型プロジェクトだ。すでに現地での機器設置工事、試験運用は完了し、2017年3月から正式運用が開始された。

中央装置から路側装置まで、必要なITS設備を一括納入

ベトナムではこれまで、移動の手段はバイクが主流であったが、著しい経済成長に合わせて、自動車の普及が急速に進んでいる。ところが、現時点ですでに道路網は飽和状態にあり、遠からず交通網が麻痺してしまうのは明らか。そこで道路や地下鉄の整備とともに、高速道路の整備が急務となっているわけだ。

「東芝は道路事業に50年以上関わっていますが、国内市場はすでに成熟しており、事業拡大のためには海外展開が必要でした。そこで市場調査を進めたところ、特に道路システム案件の形成がこれから始まるベトナムの市場に将来性を見出したのです」

東芝・インフラシステムソリューション社 川見篤史氏

東芝・インフラシステムソリューション社 川見篤史氏

そう語るのは、株式会社東芝・インフラシステムソリューション社の川見篤史氏(社会システム事業部道路ソリューション技術部、所属は2017年6月30日時点)だ。

川見氏によれば、ベトナムには当時、まだ本格的なITSは存在せず、交通管制システムや料金収受システムなど幅広いソリューションを持つ東芝が、今まで培ってきたノウハウを活かすには最適な市場であったとのこと。

では、今回ベトナムで導入される海外向けITSパッケージとは、どのようなものか。

ITSとは、Intelligent Transport Systemsの略。人と道路と車両を、最先端の情報処理技術で一体的に処理し、渋滞や事故など道路交通が抱える課題を解決するシステムです。交通管制システムや料金システムなどさまざまなシステムから構成されますが、今回のプロジェクトは、新設された55km部分の道路に必要なITS設備を、中央装置から路側装置まで一括して納入するものです」(川見氏)

ベトナムの高速道路

具体的には、該当する55kmの全線において、ETCを含む料金収受システムを導入。また、計52カ所に交通状況を自動把握するための車両検知システム(Vehicle Detector)を設置したほか、16カ所に監視用のカメラや、気象状況を把握するためのセンサー、さらに道路管理者専用の無線通信設備なども導入しているという。

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