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ライフラインが途絶えた被災地へ 水素がもたらす大きな希望


自立したエネルギー供給のために

H2One™とは、再生可能エネルギーから水素を「つくる」、その水素を「ためる」、そして燃料電池で「つかう」ところまでワンストップで行うエネルギー供給システムのこと。

まず、太陽光発電設備で発電し、その電気を用いて水を電気分解、水素を発生させる。そして、水素をタンクに貯蔵し、電気と温水を供給する燃料電池の燃料として活用する仕組みだ。そのため、水と太陽光のみで稼働でき、災害時にライフラインが寸断された場合でも、自立して電気と温水を供給できる。

静岡DMATの訓練では自立型水素エネルギー供給システムを輸送車両と一体化した車載型H2One™モデルが使われた。4トントラック2台で構成されていることからさまざまな場所へ移動しやすいのも特徴だ。

静岡DMATで用いられたH2One™は、従来よりも小型化することで、機動性を高め、被災地で求められる短時間での稼働を可能にした上、応急処置に欠かせない電気と温水も供給できる。またこの訓練で150時間稼働することが証明され、最大72時間、医療活動を行う必要があるという、DMAT必須の課題もクリア。従来のディーゼル電源車で問題視されていた騒音や悪臭もH2One™では克服している。

この動画は2017年10月4日に公開されたものです。

街中の東芝水素ソリューション

静岡DMATのみならず、H2One™はさまざまなところで活躍している。その一つが、川崎市臨海部の公共施設である川崎マリエン。川崎マリエンは周辺地域の帰宅困難者の一時滞在施設に指定されており、H2One™を用いることで、300名に約1週間分の電気と温水を供給することが可能だ。

また、省エネルギーや再生可能エネルギーの導入など環境に配慮した取り組みを進める「エコステ」のモデル駅としてリニューアルされたJR武蔵溝ノ口駅にもH2One™が導入されている。

このほかにもH2One™を核とした水素活用モデルが開始している。例えば、2017年には東芝府中事業所に「水素エネルギー利活用センター」を開所。

このセンターは、太陽光発電により発電した電力から水素を製造し、圧縮・蓄圧して、事業所内で運用する燃料電池フォークリフトに充填する施設である。再生可能エネルギー由来の水素を燃料として水素を製造するオンサイト型の水素ステーションといえば分かりやすいだろうか。

燃料電池フォークリフトは、稼働時にCO2を排出しないほか、再生可能エネルギー由来の水素を燃料にしているため、一貫したCO2フリーを実現している上、水素の充填時間も3分程度と非常に短い。今後、工場や物流拠点、空港といった産業分野への普及が期待される。

燃料電池フォークリフト

災害現場から都市空間まで水素が果たしていく役割は計り知れない。こうした取り組みにより、水素は私たちにとってますます身近なエネルギーとなっていきそうだ。

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