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風船のヘリウムガスが内部に? クラウド時代を支えるHDD大容量化技術


風船のヘリウムガスが内部に? クラウド時代を支えるHDD大容量化技術

この記事の要点は…

ポイント1 クラウド時代を支える大容量HDD

ポイント2 ヘリウム充填によりHDDのさらなる大容量化が可能に

ポイント3 東芝が従来型記録方式で世界最大容量のHDDを開発

スマホで撮った写真をクラウド上に保存する。会社で使う資料をクラウド上に保存し、同僚と共有する。私たちは生活のさまざまなものをデータ化し、クラウド上に保存することが当たり前の時代になった。その結果、世界中で生成・蓄積されるデータ量が加速度的に増加し、データの保存先となるデータセンターはより多くの情報を保管することを求められている。

多くの場合、データの保存はハードディスクドライブ(HDD)が用いられる。HDDは、データを記憶するノートの役割をする円盤状の磁気ディスクが高速で回転しながら、ペンの役割をする磁気ヘッドを使ってデータの書き込みと読み出しを行う。

3.5型大容量HDD

3.5型大容量HDD

クラウドサービス用の大規模データセンターを運営する企業が求めるHDDは、ニアラインHDDと呼ばれる大容量HDDだ。

理論上、磁気ディスクの枚数が増えれば、記録できるデータも多くなる。しかし、毎分7,200回転という高速回転をさせながらデータの読み書きをするニアラインHDDにおいて、多くの磁気ディスクを入れると耐久性の悪化や消費電力増加などの問題に加え、業界標準サイズの筐体内に搭載できる磁気ディスクの枚数の増加には物理的な制約があった。

そのような中、2017年12月、東芝は従来型磁気記録(CMR)方式で世界初、世界最大容量(※1)の14TB(テラバイト)を実現したニアラインHDDを開発した。HDDの中に搭載される磁気ディスクを、それまで業界最大だった8枚から9枚に増やすことに成功したのである。その立役者が、HDDの中の空気をヘリウムガスに変更することであった。空気よりも軽いヘリウムガスを充填したことで搭載枚数を増やし、磁気ディスクそのものの高記録密度化にも成功した。さらに、世界最大容量を実現しただけでなく、消費電力も一世代前の10TBモデルよりも40%以上向上し、平均故障時間(MTTF)は250万時間という高信頼性を実現したのである。

(※1) 3.5型・高さ26.1mmのフォームファクタとして。2017年12月8日時点。当社調べ。詳細については、2017年12月8日東芝デバイス&ストレージ(株)の報道発表文を参照。

大容量化と低消費電力を実現した新しいHDD製品化の開発ストーリーを、HDDを知り尽くした東芝デバイス&ストレージ株式会社で営業を担当する藤森将文氏と設計を担当する佐藤巧氏に聞いた。

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