loading
TOP > デジタルソリューション > IoT、AI時代のSDGs 求められる新たなソリューションとは

IoT、AI時代のSDGs 求められる新たなソリューションとは


2つの課題解決に向けたバーチャル発電所の取り組みとは

沖谷:仮想発電所の取り組みですね。横浜市、東京電力エナジーパートナー株式会社と進めている「バーチャルパワープラント(VPP=仮想発電所)」です。

横浜市の36の小学校に東芝の蓄電池設備を置き、それらの蓄電設備をひとつの仮想的な発電所として機能させるという実証実験を進めています。電気が安い時間帯に蓄電し、高い時にその電気を使用することで経済効果を検証するだけでなく、太陽光発電と組み合わせて電力使用のピークを回避する取り組みをしています。各小学校の充電データをクラウド上で集計し、効率の良い使い方を提案することで、電力の安定供給や災害に強い街づくりを目指します。

バーチャルパワープラント

相馬:さまざまな領域で、SDGsにつながるビジネスが進められていることが分かりました。

沖谷:私たちの事業はどれをみてもSDGsに関連づけることができます。こうしてグローバルな目標と関連づけることにより、東芝がどのような価値を社会に提供できているかを改めて認識していただけるきっかけになります。

相馬:そのお考えはCSR担当として、大いに共感します。SDGsを事業戦略に活用することは、技術革新の促進にもつながり、より良い未来社会の構築に貢献していけると思います。

デジタルソリューションと「働き方改革」の意外な関係

相馬:SDGsには「8.働きがいも 経済成長も」という課題もあります。日本でも大きな関心時になっている「働き方改革」について、デジタルソリューションはどのように役立てるのでしょうか。

沖谷:いくつかの視点があります。まず、IoTやAIを活用して生産性を向上させるアプローチです。前編でも挙げた東芝メモリ株式会社の四日市工場の事例ですと、AIの活用によって、製品の不良原因のチェックに要する推定時間を6時間から2時間に短縮できるケースもあり、生産性の向上に寄与しています。

また、東芝グループの物流会社である東芝ロジスティクス株式会社では、活動量計とAIによる倉庫内での作業効率の向上にも取り組んでいます。東芝エレベータ株式会社では、業務報告書を音声入力することで保守点検の効率化を進めています。

相馬:東芝グループ内での展開は活発ですね。社外に提供しているソリューションではいかがでしょう。

沖谷:鶴巻温泉の老舗旅館 元湯 陣屋様には、コミュニケーションAI「RECAIUS フィールドボイス」を活用したソリューションを導入いただきました。音声認識によって情報入力を効率化することで、業務効率向上やスタッフのコミュニケーションの活性化につながり、結果として顧客満足度のアップにつながりました。

元湯 陣屋ではスタッフの働き方改革を進めている

元湯 陣屋ではスタッフの働き方改革を進めている

IoT+ヒト=新たなソリューションの思想

相馬:IoTでモノをデータ化する動きが活発ですが、沖谷さんから事例をお聞きしていると、必ず「人」が介在していることに気づかされます。

沖谷:IoTはInternet of Things、つまり「モノのインターネット」ですが、そこに「ヒト」の想いを重ねるのが東芝のデジタルソリューションです。音声合成技術ではいかに話し言葉のようにスムーズに発話できるかに重きを置き、音声認識技術では人が話す言葉を正確に聞き取って文書にする。ここに生かされているのが、文脈を理解しながら変換するというワープロの言語解析技術です。東芝が140年以上にわたって培ってきた技術資産や知見がデジタルソリューションに結実しているのです。

相馬:これらの取り組みにより、業務が効率化することで時間が生まれ、働き方改革に結びつきます。新たな価値の創造にも期待がかかりますね。

沖谷:はい。最近ではRPA(Robotic Process Automation)という、ホワイトカラー向けの単純作業自動化を取り入れる動きもさまざまな業種で活発に行われるようになりました。データ入力、チェックなどの単純作業をAIに代行させることで、空いた時間でクリエイティブな業務に注力できます。

相馬:私もそのデモ作業を見ましたが、人間が行う業務を自動で行ってくれる便利さに驚きました。ビジネスとIoT、AIとのマッチングが社会課題の解決の糸口になる。これはインフラのような大きな話でも、働き方改革のような身近な話でも同じですね。

沖谷:ビジネスをする際、私たちはまずお客様がどういった課題を解決したいのか、あるいは数年先をにらんでどのような課題を解決すべきかを把握するのですが、さらに一歩踏み込み、お客様自身の課題解決が社会にどのように貢献するのかというところまで考え、ソリューションを提案すべきなのだと思います。BtoBのもう一歩先、「BtoB for Society (B to B for S)」という発想で、お客様の先にある社会を視野に入れることが求められます。

特定の業務、専門領域にのめり込むことも大事ですが、世界の動きを知らなければ、社会の課題を解決するソリューションは作れません。そこで、SDGsが一つの指標になるでしょう。今回の対談であらためてSDGsを深掘りできたことは大きな刺激になりました。

相馬:沖谷さんに総括いただいたように、事業計画や日々の業務の中で「自分たちの事業がSDGsのどの目標に貢献しているか」を考えることが、SDGsの第一歩になります。SDGsは長期的な世界共通の目標で、社会の要請であるため、それに応えていくことが企業の責任であることを東芝グループ全体で理解してもらえるように、CSR担当として今後も啓発活動を進めていければと思います。本日はどうもありがとうございました。

相馬氏 沖谷氏

■関連リンク
IoT×SDGsがもたらす変革 デジタルソリューションに宿るモノづくりのスピリット
お笑いジャーナリスト・たかまつななさんと学ぶ「SDGs×東芝」
SDGsの取り組みがもたらす、 新たな世界の姿とは
IoT/AIを活用した「働き方改革」
東芝のIoT
東芝デジタル&コンサルティング株式会社