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シャンデリアにLEDを 新素材GaNが支える“コンパクト”の裏側


シャンデリアにLEDを

GaNは2014年ノーベル物理学賞を受賞した青色LEDの材料として有名。この材料をトランジスタに活用すると、従来のシリコン半導体に比べ、導通損失(※1)が小さくなり、高速動作(※2)が期待できる。次世代半導体材料の一つだ。

※1 電流が流れることによって生じる熱量(電力)のこと。これが小さいほど、消費される電力(損失)が小さくなり、半導体として高性能とされる。損失は熱となるため放熱機構部品が必要とされる。

※2 電源回路に用いられるスイッチングトランジスタは高速でオンオフを繰り返している。単位時間あたりの動作回数は半導体材料にも依存し、GaNは既存材料のシリコンと比較すると10倍以上の動作を実現できる。

「回路基板上の部品を小形化するには半導体の性能を上げるしかないと思いました。GaNを使用して動作周波数を高め、周囲の部品形状を小さくしました。また、GaNは同じ電流を流しても電力の損失が小さく、放熱機構部品も小形化されます」(大武氏)

大武氏

大武氏

このように回路が小形化された分、ちらつきを抑えるなどの電気機能部品や光学制御部品をLED電球に搭載白熱電球と同等のサイズ・同等以上の機能をもつLED電球を実現した

このGaN搭載LED電球が活躍できる場は数知れない。その一つが明治記念館の蓬莱の間だ。

明治記念館 蓬莱の間のシャンデリア

明治記念館 蓬莱の間のシャンデリア

「蓬莱の間にはシャンデリアがあり、2017年9月に白熱電球からGaN搭載LED電球に置き換えられました。ここでポイントとなったのは、ちらつき抑制だけではなく、白熱電球のフィラメント(※)の輝きを再現させることでした」(大武氏)

※フィラメント:照明器具の部品の一つで細い金属線からなる。白熱電球では電流を流すと強く光る。

シャンデリアのガラスビーズはプリズムとして機能し、輝点が小さい光が入射すると、スペクトルごとに屈折し、七色に分光する。逆に輝点が大きい場合、さまざまな方向からガラスビーズに入った光が方々に分散してしまい、結果的に出射した光がお互いに交じり合ってもとの光源光色に戻ってしまう。

シャンデリアを七色に輝かせるためには輝点を小さくする必要がある

シャンデリアを七色に輝かせるためには輝点を小さくする必要がある

「シャンデリア用のLED電球には輝点が小さく輝度の高い発光部が必要でした。これが可能になったのも、回路部分が小さくなったため、光学制御部品を搭載できたからです。蓬莱の間の輝きがLED電球で実現できた裏側にはGaNの力が隠されているのです」(大武氏)

【東芝】シャンデリアにLEDを 新素材GaNが支える“コンパクト”の裏側

 

GaN搭載LEDを用いたシャンデリア
この動画は2018年5月16日に公開されたものです。

このGaN搭載LED電球は「平成29年度 省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞(節電分野)」など数々の賞を受賞。

「今回の開発では、一つの課題を解決すると次なる課題が待ち受け、これが何度も発生するため、そのたびに心が折れそうになりました。私たちは電源回路に携わりましたが、東芝の多くの部門に協力してもらい、この総合力が今回の成功へとつながりました」(大武氏)

GaN搭載LEDの電源回路に関わったチームメンバー

GaN搭載LEDの電源回路に関わったチームメンバー

私たちにとって身近なアイテムであるLED電球の裏に隠された高度な技術。今後、ますます新たな場所を照らしていくGaN搭載LED電球に期待したい。

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