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帰郷した名機関車は何を想う ブルートレインをけん引した「EF65 535」


ブルートレイン用機関車としての後半生を終え、故郷に帰還

多くのファンが保存運動に賛同したが、EF65 535の行き先はなかなか決まらなかった。同僚として活躍した機関車たちは次々に解体されるものもあり、時代の変遷にEF65 535も飲み込まれるのか――有志が危惧する中、東芝府中事業所に動きがあった。

落ち着き先がないなか、所有するJR貨物と取引があった東芝が手を上げ、府中事業所にEF65 535がやって来ることになりました。保存会の方々も、EF65 535が生まれた東芝府中事業所に帰ってくるのならば、と胸をなでおろしたと聞いています」(宮崎氏)

引退後に大切に保管されていた大宮車両所から東芝府中事業所への回送では鉄道ファンが別れを惜しんで殺到し、多くのファンが最後の雄姿をカメラに収め、旅立ちを見送った。運転した者、見守ってきた者。多くの人たちの愛に送り出され、「EF65 535」は生まれ故郷に帰ってきた。時に2013年――東芝府中事業所で誕生してから46年が経っていた。

製造当時を知る現役社員はいない。しかし、次代を担うメンバーにも、電気機関車製造の志は確かに継承されている。定期的にEF65 535の状態を確認する山田氏は、やさしい目で往年の名機関車に視線を送り、その先の線路に電気機関車のネクストステージを望む。

EF65 535の運転席(左)、運転席から車内後部を臨む(右)

EF65 535の運転席(左)、運転席から車内後部を臨む(右)

「ここ、府中事業所はもともと機関車の製造工場として立ち上がっています。私も、入社当時からその歴史については何度も聞いてきました。そんな歴史ある場所に、鉄道モニュメントとしてEF65 535を迎えられたのは大きな喜びです。東芝が電気機関車を作っている。そんなアピールには欠かせない存在だと思います」(山田氏)

東芝インフラシステムズ 府中事業所 交通システム部 山田真広氏

現在、府中事業所ではハイブリッド機関車のHD300形式、在来線と新幹線の双方の車両が走行可能な共用走行区間に対応したハイパワーのEH800形式などの最先端の電気機関車が製造されている。

往年のモニュメントとしてたたずむEF65 535は、今後も続々と送り出される最新鋭の後輩電気機関車たちをやさしく見送っていくことだろう。

東芝府中事業所に保管されているEF65 535

注:東芝府中事業所では、「EF65 535」の一般公開はしておりません。

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