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半導体が拓く自動車の未来 ~車載半導体最前線~


車載半導体に省エネが求められる理由とは?

一方、スマートフォンやタブレットよりも遥かに大きな自動車向けの製品において、低消費電力であることはなぜ重要なのだろうか。

「電気を多く使う半導体は、その分動作の際に熱を発します。画像認識用の半導体は、自動車の中でもフロントガラスの上部付近に設置されることが大半ですが、この場所は日光によって特に温度が上がりやすく、発熱を抑えないと半導体が動作を停止してしまいます。カーナビなど、車(ボディ)の中に設置されるものはファンや放熱器をつけても良いのですが、フロントガラス付近はそうはいきません。そのため、電力消費を抑えることが必要なのです」(惠谷氏)

これら高度な画像認識性能と低消費電力といった強みが評価され、「Viscontiファミリー」は、複数の車載機器ベンダーに採用され、量産車にも搭載されている。

画像認識プロセッサ 「Visconti™」

画像認識プロセッサ 「Visconti」

より高度な自動運転実現への挑戦

現在は緊急ブレーキなど、主にADAS(先進運転支援システム)に搭載されているViscontiだが、完全な自動運転の実現に向けては、まだたくさんの課題が残されている

これから自動運転技術が進化していく中では、AI(人工知能)を活用した機能も求められてくるでしょう。」(惠谷氏)

現在、より高度な自動運転の実現に向け、世界中で技術開発が加速しており、東芝も株式会社デンソーと共同で、人間の脳の神経回路をモデルにしたAI技術であるDNN-IP(Deep Neural Network-Intellectual Property)を開発している。

また、AIの活用に留まらず、次世代のさらに先を見据えた構想も始まっている。

「自動車の安全を考えたとき、通常のAIでは人間の脳が歩行者や障害物を認識するのと似たプロセスで画像を認識しています。しかしその方法では、究極的には人間が起こし得る事故は防げないこともあるはずです。人間が起こす事故も防ぐには、不測の事態の起こりやすさやその可能性を予測・計算しなくてはならないので、これまでに無いほど、非常に高速で複雑な情報処理を求められることになります。」(惠谷氏)

より安全で便利なモビリティーの実現に向けて、進化を続ける車載半導体の世界。技術者たちの挑戦は終わらない。

「かつてはテレビ、最近ではパソコンやスマートフォンが最先端の半導体を必要としていましたが、現在、技術的に世界をリードしているのは車載向けの半導体だと思います。自動車市場が、一番難しいアルゴリズムや一番高速なコンピューティングを求める時代になりつつあり、世界中の半導体メーカーがしのぎを削っています。求められるハードルは高いですが、その分、非常にやりがいがあります。自動車分野に携わる技術者として、世界最先端の技術を取り入れたより良い製品を開発していきたいと思っています」(惠谷氏)

東芝デバイス&ストレージ株式会社 ミックスドシグナルIC事業部 惠谷文彦氏

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