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日本初の白熱電球 暗闇を照らす一筋の光


電球開発から産み出された新製品たち

電球開発には当時の最新技術が使われていた。電球製造や改良を進める過程で得た技術をもとに、新たな製品が開発されることもあった。また白熱電球自体が使用されたユニークな製品も誕生する。

「東芝には日本初の製品が白熱電球以外にもいくつかあるのですが、そのひとつ、医療用レントゲン装置に使われるX線管は電球製造で培った真空技術や管球技術を使って完成しました。こちらの製品は今年で100周年を迎えます。

また、少しユニークな製品にはなるのですが、日本初の扇風機もそのひとつです。実はこの製品には、本体に電球がついているんです。スイッチ一つで風と明かりを使えるというのが長所ですが、なぜ電球がつけられたかは定かではありません。

当時電気を使うということはまだ日常的なことではなかったので、電気を使う機械だということをアピールする狙いがあったなどいろいろな説がありますが、現在では、直流モーターが使われており電流が不安定だったため抵抗としてつけた、という説が一番有力だとされています」

日本初のX線管

日本初のX線管。電球製造で培った真空技術や管球技術が活かされている。

日本初の扇風機

日本初の扇風機。本体に電球がついている。

「灯具」から「LED」へ。変わる明かりの未来

明かりは生活文化の原点として、古くより重要な役割を果たしてきた。日が落ちてからも人類が活動できるのは、明かりの力によるところが大きい。

日本では、昔から照明を総称して「灯具」と呼んでおり、古代期から江戸末期までの長い間、菜種やゴマからとった植物性の灯油を灯火器に入れて、裸火で使用していた。明治に入ってからは、ガス灯や石油ランプ灯、アーク灯といった3種の光源が登場し、街灯として暗い夜の街を照らした。

明治20年には一般家庭にも配電が開始され、その3年後に日本初の白熱電球が誕生。当初は先述の通り低照度であったものの、その輝きと手軽な操作、そして安定した明るさは世の中を一変させた。明治25年には水力発電が開始されたこともあり、広域配電化や低料金化が実現。それにならい電球も低価格化が進んだ。明治に入り照明の役割は「用具」という立ち位置から「設備」へと変化した。

その後、二重コイル電球や内面つや消し電球といった世界的な発明がなされ、長寿命化、高照度と電球は飛躍的な進化を遂げていった。電球は明かりとして万能性を獲得し、明治末から昭和半ば過ぎまで白熱電球最盛の時代となる。

しかし、昨今では環境への配慮が求められているため、照明にも環境との調和を追求する動きがある。 省電力で長寿命を実現したLED照明の登場は、その最たる例だといえるだろう。

東芝でも、平成22年をもって電球の生産を終了した。日本初の白熱電球を開発した当社が生産をやめることには一抹の寂しさを覚えるが、明かりはこれからも進化をしていかねばならない。白熱電球が人々の生活を一変させたようなめざましい活躍を、今後生まれてくる新しい照明に期待したい。

電球型LEDランプ

電球型LEDランプ

東芝未来科学館
http://toshiba-mirai-kagakukan.jp/

1号機ものがたり
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