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サイバーとフィジカルの融合 技術トップが語る未来像(後編)


今後5年間の研究開発について― 注力する分野、投資額は?

-様々な分野で研究開発を進めていくなかで、どういった考えで投資や取り組みをしていくのでしょうか?

斉藤 我々としては、今後5年間で9,300億円を投資していきます。主に再生可能エネルギーの技術や先ほど紹介したSCiB™やパワーエレクトロニクス、ロボティクスの分野。半導体の分野ではパワーデバイス、ストレージではデータセンター向けのHDD。その他、産業向けのICTの分野では、東芝のコミュニケーションAIである「RECAIUS™」やアナリティクスAIである「SATLYS™」など、東芝のIoT「SPINEX™」を活用してビジネスモデルを変革するための仕組みの開発など、メリハリをつけた投資を実施していく計画です。

一方で開発の側面でも収益力の向上ということを考えなくてはいけません。製品によってはモジュール化や標準化が進んでいないものもあります。こういったものについては研究開発の初期段階から全体を俯瞰できるように、ITを導入していくことで開発の効率向上やリードタイム短縮化を図りたいと思っています。組織面でも、事業の種を生み出す基礎研究から、事業化してからも生産性や保守技術の向上を追求する研究開発まで一貫して技術提供ができるように、海外の研究所も含めた体制を構築しています。BtoC向けや半導体のような製品開発では研究所でアイデアを生み出し膨らませ、それを大量生産に向けて技術を固めるという流れでしたが、BtoB事業ではまずお客様の課題は何かということを聞いて、生産技術も含めて研究開発の初期段階からやらなければいけません。

-研究者・技術者の方々にはどのように取り組んでいってほしいと考えていますか?

斉藤 国内、海外の研究開発、技術開発の拠点を回って話をすると、自分のアイデアを提案したい、何か新しいものを作り出したいという思いを持っている人が多いと実感しています。そうした思いに応えるためにも、先に述べた100億円規模のCVCなど、オープンなインキュベーションの仕組み作りに取り組んでいます。今までは完成度や品質の高さを求め過ぎていた面があるのではないかと思います。もちろん未完成、低品質のものを世に出すことはできませんが、ある程度の完成度で自分たちとしても納得ができるものであれば、スピード感を持って世に問う、そしてそこで得られたフィードバックを元に改善を加えていく。またテーマによっては、社外の知恵や技術を取り入れていく。そういったやり方もあっていいと考えています。

株式会社東芝 執行役専務 斉藤史郎氏

今は技術がかなり細分化しています。しかし、個々の技術だけではなかなかものになりません。ゼロから1を作り出すのがインベンションだとすると、色々な技術を組み合わせながら新たな提案、ソリューションを作っていく、それがまさにイノベーションだと思います。そのためには、研究者、技術者も自分の専門分野だけではなく、アンテナを高く張っていくことが重要です。

我々の研究開発の基本は、メガトレンドに絡む社会課題をいかに解決するかということです。それはSDGsで掲げていることと同じで、これまでやり続けてきたことです。研究者や開発者には、「研究や技術開発は、社会課題の解決やSDGsにある目標を達成するための手段である」ということを念頭に、自身が取り組んでいる研究や技術開発がどういった社会課題にひもづいているかを常に意識していただきたい。

是非、自分たちが新しい未来を始動させ、その未来を引っ張っていくという気概を持ってほしい。必ずしも今の事業ポートフォリオにとらわれないで、新しい提案を待っている、期待している、東芝はそういう会社です。決して臆することはありません。

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