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東芝の技術者が教える 半導体開発入門


半導体は社会の縮図!

「ソフトウェアは一旦実装しても、プログラムの変更で柔軟に対応できます。しかしハードウェアは一旦設計すると、後からあまり変更ができません。ですから、ハードウェア開発者としての秘訣の一つは、ハードウェアでしかできないことだけをハードウェアに担わせるよう、あらかじめソフトウェアとのすみ分けを決めておくことです。サンプルアプリの実装や評価の結果を踏まえて、ベストなすみ分けを検討していきます。加えて、できるだけ後からでも変更できる設計にしておくことも重要です。例えば、回路のサイズに与える影響が小さいものは、まずはハードウェアとして入れておくことで、後から柔軟に削れるようになります。」(佐野氏)

半導体の研究開発において、佐野氏が最も嬉しい瞬間は、そうやって苦労して開発したチップが搭載された機器が実際に動いているのを見たときだという。

「自分が担当した回路だけでなく、他のメンバーが担当した回路も一つのチップに搭載されています。世界の人口に匹敵する数の部品が密接に関わり合いながら機能する。実際にチップを手に取ると不思議な思いがします。ここには、人間と同じように、部品同士がやり取りを行うことで現在もしくは近い未来に世の中で必要とされるものを実現するという、一つの世界があります。その意味で、半導体は社会の縮図と言えるのではないでしょうか」(佐野氏)

一つのチップに多くの回路が搭載されている。

一つのチップに多くの回路が搭載されている。

半導体開発における東芝の強みは、古くから幅広い半導体事業に携わってきたことによる知識の蓄積があること。先端のシステムLSIなどは、電気信号を「0」と「1」で表すデジタル回路で構成されることが多いが、トランジスタなどは連続的な波形で情報を表すアナログ回路だ。

だが、佐野氏が関わるシステムLSIも、チップとその外部との通信はアナログ回路であることが多い。そうした際に1958年から60年間にわたり半導体を手掛けてきた東芝のアナログ回路の知見が役立つという。

デジタル信号からデジタル信号に変換する回路を「デジタル回路」という。

デジタル信号からデジタル信号に変換する回路を「デジタル回路」という。

「半導体の歴史はサイズとコストの戦いだったと言えるでしょう。より小さなチップの開発を求めると、コストは跳ね上がり、また半導体の働きを妨げる熱も発生します。そうした制約から、入れたいと思う機能が全てチップに載せられているわけではないので、日々小型化と機能向上の両立に努めています。

そうした開発一つひとつの積み重ねが、半導体の進歩を実現してきた、と佐野氏は語る。「もし人類の歴史を初めからやり直すとしたら、人類は再度半導体を発明できるのか分かりませんね。もしかしたら、半導体ではない全く別の製品を開発しているのかもしれません。半導体がここまで進歩したのも、真空管など、あらゆる発明の歴史の積み重ねと、コンピューターや検査装置などの機器の進化があってこそ。一朝一夕にはできないのです」(佐野氏)

半導体は人類の技術の歴史の結晶なのだ。

東芝デバイス&ストレージ株式会社 半導体研究開発センター 佐野徹氏

*Visconti™は、東芝デバイス&ストレージ株式会社の商標です。

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