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保守サービスに秘める自信と誇り -社会インフラを支えるインフラ編-


電気を止めるな! 保守サービスエンジニアの合言葉を胸に

新ローターのボルトの位置が合わない。これでは納品ができず、火力発電所の再稼働ができない。高木氏の脳裏に様々な解決策が浮かんでは消えた。既存のローターに戻すか? いや、古い部品はもうスクラップになっている。新しく作り直して再納品? いや、このローターを設計し、作ってから納品まで1年以上かかっている。再びそれだけの時間はかけられない。一体どうしたものか――。

「日本の工場の設計部門には気心が知れた同期の設計者がいました。彼とコミュニケーションを取り、何か解決策がないか、必死に頭を絞ったのです。私はアメリカで、彼は遠く離れた日本で、睡眠時間を削りながら、チームとして24時間ノンストップで策を検討し続けることになりました」

様々な方向から解決策を探ってはみたが、位置の大きな違いにお客様である発電所のエンジニアも高木氏も言葉がない。「どう調整してもこのままでは無理だ」というのが共通した見解だった。しかし、ギブアップするわけにはいかない。

なぜか? それは、このローターが火力発電所を動かす大事な心臓部だからだ。出力80万kW。この地域に住む多くの人たちの生活を支えている。その重みを、高木氏は痛いほどに感じていた。

蒸気タービンローターのイメージ

蒸気タービンローターのイメージ

「お客様にお詫びしたり、ペナルティを課されたりして済むなら、まだいいでしょう。でも電気は止められない。私たち保守サービスを手掛ける者にはそんな使命感があります。絶対に無理だと思っても、泣いても笑っても、80万kWの発電を止めるわけにはいきません。日本にいる設計部門では同期が頑張ってくれている。だったら、現場では私が頑張らなければ。発電所の蒸気タービンをなんとか回すんだ。そんな思いが私たちを支えていました

太平洋を挟んで協議、検討を重ねた結果、現場で部品を加工し、必要な修正するというウルトラCの解決策が導き出された。設計部門の同期には、修正・加工を施しても機能と性能を担保できるアイデアがあった。

一連の解決プランをお客様に承認してもらい、据付のスケジュールも現場でマネジメント。結果として当初の工事工程を守って納品できた。お客様が送ってくれた感謝レターは、今でも高木氏の宝物だという。

「このようなトラブルが起こったら、ほぼ納期がずれ込むもの。だけど、東芝は守ってくれた。大変感謝している――そんな文面が綴られていました。私もこの経験に感謝している面があります。解決を目指すやり取りを通じて、『保守サービスの本質』とでも言うべきものを身をもって実感できたからです」

電気は止められない、電気を止めるな――それは、社会インフラを支える者の合言葉だ。目に見えないところで人々の暮らしを支える仕事である。くじけそうな高木氏たちを奮い立たせたのは、保守サービスエンジニアの使命感だった。

「電気は水道やガス、交通機関などと並列で『ライフライン』とくくられますが、水道もガスも、そして電車や交通信号も電気がなければ稼働できず、インフラとして機能しません。人々の暮らしを支える社会インフラを、さらに下支えする。それが火力発電所保守サービスの本質だと、私たちは考えています

高木氏

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