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停電を防ぐカギ! 電気の仕組みと電力貯蔵入門


貯められない電気の貯蔵方法とは?

電気は性質上、光速で動き、一定の状態でじっとしていることができないため、そのままの状態では貯めておくことはできない。だが、万が一の停電の備えや再生可能エネルギーのさらなる普及に向けて、電力の需給一致の必要性から、電力貯蔵は必須だ。そこで現在では、電気エネルギーを様々なエネルギーに変換して貯蔵する技術が研究・開発されている。それら技術の種類は多様だが、今回、そのうちの2つをご紹介しよう。

電力貯蔵の方法

電力貯蔵の方法には様々なものがある

一つ目は揚水発電。「発電」と聞くと、「電気を貯める」というよりも「電気を作る」ことに目が向かいがちだが、立派な電力貯蔵技術だ。

揚水発電は、余剰電力で発電電動機を回し、その力でポンプ水車をつかって水を低いところから高いところに汲み上げて貯水する。これは、電気エネルギーを水の位置エネルギーへと変えて貯蔵するシステムなのだ。そして電気が不足した際に貯めた水を落下させ、ポンプ水車を回し、その力で発電電動機を回す事で水の位置エネルギーを電気エネルギーへと再変換して利用する。例えば400MW×4台の揚水発電所で8時間の連続運転ができるとすると、一般家庭約160万世帯が一日に使用する電力量(※)に相当する電力を蓄電することが可能となるのだ。

※400MW×4台×8時間=12,800MWhとして、12,800MWh÷(247.8kWh/30.5日)⇒約1,580,000世帯(1世帯あたりの1ヶ月平均電力消費量を2015年電気事業連合会調べの247.8kWhとした場合)

揚水発電の仕組み

揚水発電の仕組み(系統電力の余剰時に電気を貯めて不足時に使う場合)

しかし、通常の揚水発電は一定の回転速度で運転されるため、揚水運転中の電力(充電に相当)の調整が不可能だった。そこで東芝が世界で初めて実用化したのが可変速揚水発電。回転速度をコントロールすることにより、揚水運転時にも需給の調整ができるようになった。
可変速楊水発電は、揚水運転中の周波数の変化に応じて発電電動機の入出力を自動制御することができる上、発電電動機が持つ回転エネルギーを一時的に放出あるいは吸収することで発電時の出力や揚水時の入力を瞬時に変えることができることも特長である。そのため、電力の余剰時と不足時の需給調整だけでなく、再エネなどの瞬時的な出力変動の対策としても利用可能であり、需給バランスの改善にも活躍している。

葛野川発電所 4号機可変速発電電動機

葛野川発電所 4号機可変速発電電動機

二つ目にご紹介するのが二次電池。スマートフォンの充電池などで馴染み深いと感じる方も多いだろう。しかし、二次電池には電気がそのまま貯蔵されているわけではなく、プラス極に位置する正極材とマイナス極に位置する負極材を電解液に浸すことで、電気化学反応を起こして電気エネルギーを取り出す。ここまでは普通の電池も二次電池も同じ。

加えて二次電池は、外部から電気エネルギーを与えることで、先とは逆の反応を起こし、正負極材を放電前の状態に戻して繰り返し使用できる。二次電池では、電気エネルギーを電気化学的に変換して貯蔵しているのだ。

東芝の二次電池 SCiB™

東芝の二次電池 SCiB™

もちろん、他にも、化学的に水素と酸素のエネルギーを電気エネルギーに変換する燃料電池を使った水素電力貯蔵など、様々な電力貯蔵技術の研究開発が進められている。決して電気を止めない。その想いが様々な電力貯蔵技術へと変身し、一瞬でも電気の需給が崩れてそれが停電へと繋がらないように、私たちの生活を支えているのだ。

■関連サイト

東芝インフラシステム(株) ニュースリリース
「東北電力株式会社向け系統用蓄電池システムの営業運転開始」(2016年02月26日)

 

■関連リンク(Toshiba Clip)

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