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自動車産業に変革をもたらす! 「スポット溶接検査ロボット」とは?


自動車産業に変革をもたらす! 「スポット溶接検査ロボット」とは?

この記事の要点は…

自動車の溶接検査では、検査個所を破壊する手法が採られていた

これを東芝独自の「傾き推定エンジン」を使って、破壊せずに自動で検査する技術を確立

この技術により、品質検査の変革や海外市場の開拓が大いに期待される

自動車は約3万点もの部品をつなぎ合わせて製造する。また、1台あたり4,000~5,000個所のスポット溶接によって板金などが接合されている。スポット溶接とは、金属板に電流を流し、電気抵抗により生じる発熱を利用した溶接方法で、様々な金属材料で溶接が可能であることや、溶接速度、加工コスト、ロボットによる作業負担の軽減などの利点を背景に、多くの製造現場で導入されている。

高い品質を保証するには、製造ラインから部品を抜き取り、スポット溶接部分の強度をチェックする検査が不可欠だ。従来の品質検査では、溶接個所に、たがね(金属を加工する工具の一種)を打ち込んで剥離が無ければ合格となる。しかし、溶接が不十分だと壊れる場合もあるなど、時間も人手もかかる上に、コスト面でも大きな負担があった。

そこで、東芝は溶接部分を破壊せずに検査を行い、さらにはロボットを使って自動化する技術を確立した。年間の製造台数がおよそ967万台(2018年度)という大規模産業に今、大きな変革が訪れようとしている。

“非破壊”検査が求められる理由

「従来は板金がつながり合った隙間にたがねを差し込み、ハンマーで叩いて溶接の強度を確認した上で、変形した部分を元に戻すなどしていました。ところが車体の軽量化と高強度化が進む近年では、より強度の高いハイテン材と呼ばれる高引張力鋼板が使われるようになりました。ハイテン材はその物性上たがねを差し込むのが困難で、また変形したら元に戻せないため、溶接部分を破壊して検査することしかできなくなってしまった経緯があります」

溶接部分を破壊せずにチェックを行う、非破壊検査のニーズの高まりをそう解説するのは、株式会社東芝 研究開発本部 生産技術センターの高橋宏昌氏だ。東芝では医療用や発電プラント用に培ってきた技術を用いて『Matrixeye™』という超音波検査装置を開発し、2004年から非破壊検査を推し進めてきた実績がある。

株式会社東芝 研究開発本部 生産技術センター 高橋宏昌

株式会社東芝 研究開発本部 生産技術センター 高橋宏昌氏

「『Matrixeye™』の登場で非破壊検査ができるようになりました。超音波の反射データで溶接個所の強度を3D映像で可視化するのですが、溶接個所を見定め、カプラント液(接触触媒)を塗って検査用プローブを操作する一連の作業には人手が必要です。さらに、正確に測定するためには、超音波を発する検査用プローブを最適な角度で溶接個所に当てる必要があり、これにはかなりの習熟度が求められます。そのため、検査に多大な労力と時間を要することが課題でした」(高橋氏)

『Matrixeye™』と、超音波を発する検査用プローブ

『Matrixeye™』と、超音波を発する検査用プローブ


そこで、非破壊検査技術の次のステージとして、ロボット制御によってスポット溶接検査を自動化させる構想が生まれることとなる。

スポット溶接検査ロボット

スポット溶接検査ロボット

スポット溶接検査ロボットの流れ

スポット溶接検査ロボットの流れ

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