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持続可能で環境に調和した エネルギーへの期待


エネルギーミックスのための火力発電

CO₂排出量を少なくするための火力発電の進歩のもう一つは、エネルギーミックスへの貢献だ。エネルギーミックスとは、火力、原子力、水力、地熱、太陽光、風力などの様々な発電方法を組み合わせて電力を供給するという考え方。それぞれの長所を生かし、短所を補うことで、CO₂の排出量を削減しながら安価なエネルギーを作り出そうという計画だ。

エネルギーミックスにおいて、火力に求められる能力は、ベースロード電源および調整電源機能である。天候などの要因によって発電量が左右されてしまう太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーだけでは、電力の安定供給は難しい。そこで、再生可能エネルギーの変動分を調整する機能が火力発電に求められている。

ベースロード電源の発電量

晴天の日中で太陽光による発電供給量が高いために火力発電による電力需要が低い時と、夜間や荒天時で太陽光や風力による発電供給量が低いために火力発電による電力需要の高い時では、火力発電に求められる発電力には大きな差がある。こうした、エネルギー需要の変化・変動に合わせて、自動車のアクセルを踏むように、できる限り速やかに電力供給の増減をコントロールしなければならない。

電力供給の増減をコントロール

実は、この発電量のコントロールというのは、火力発電にとってまだ課題が多い能力でもある。必要になったからといって、タービンをはじめとするプラント機器に急に高温の熱変化を加えることは、プラント機器の故障の原因となってしまうからだ。また、火力発電プラントには、最も効率のいい運転出力ポイントがある。低出力の運転では、効率が落ちてCO₂排出量の削減される割合が下がってしまうことがある。そこで、東芝では、二つの予測を行うことで、効率のいい火力発電プラントの制御を行っている。

一つ目の予測は、電力需要の予測。1~12時間後までの電力需要を予測して発電出力を制御する。また、予測に加えて実際の需要変化にも分単位で対応することで、必要な時に必要な量を、できるだけ効率よく発電することを目指している。

二つ目の予測は、発電プラントのリスクを回避するための予測。求められる電力をタイムリーに供給するためには、できるだけ素早く発電プラントを起動する必要がある。しかし、冷たい状態のタービンを急速に温めると、温度差によって電力プラントのトラブルの原因となり、ひいてはプラントの寿命を縮めてしまうことになる。

そこで東芝では、リアルタイムにタービンの熱応力データを取り込んで分析することで、タービンに発生する熱応力を予測しながら最適起動させることを可能にする、高度なプラント制御を行っている。また、プラント運転中に収集されたデータは、発電プラントの稼働率を上げることにも活用されている。東芝は、タービンを高度に監視しながらデータを取得し、そのデータを分析することで、起こり得る異常を事前に察知し、効率的なプラント制御を可能にしたのだ。

安定して効率的な運用を行うとともに、トラブルの予兆を検知し、必要な保守作業やメンテナンス計画を顧客とともに生み出す。こうしたソリューションの開発・提案が、効率的な発電にとどまらない価値を顧客に提供することにつながっている。

温室効果ガスの排出量削減と、世界的に増大するエネルギー需要への対応。二つの相反する目的の実現のため、火力発電はまだまだ進歩をし続けるだろう。後編では、様々な排出ガスからCO₂を分離し回収する技術と、CO₂を大気に放出しない最新の発電システムについての取り組みを紹介する。

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