東芝のブランドビデオ「A Sustainable World」に込められた想い
2021/04/16 Toshiba Clip編集部
この記事の要点は...
- 社会課題に立ち向かう東芝従業員の姿を描いた新しい東芝ブランドビデオ
- 世界の様々な地域で「新しい未来を始動させる」東芝の技術や取り組み
- 制作担当者が語る、ブランドビデオを通して伝えたいメッセージ

「世界をより良い場所にしたい それが私たちの変わらない想い」
東芝が新たに公開したブランドビデオ「A Sustainable World」は、こんな壮大な言葉で始まる。
このビデオは、東芝のグローバルブランディング施策の一環として制作されたものである。鮮明でカラフルな数分間の映像はすべて3Dアニメーションで作られており、そこに登場するユニークなキャラクターたちが、観る者を物語に引き込んでいく。
ところが、青々としていた森は次々に失われ、作物は枯れ、井戸からは汚れた水が湧き出している。暗い家の中、ランプの灯りの下で勉強する少女も登場する。
そう、このアニメーションの世界は、気候変動による生活環境の変化や、エネルギー問題という私たちが直面している様々な社会課題を現しているのだ。
2018年、東芝は、自分たちが社会において果たすべき役割や、東芝だからこそできることを改めて問い直した。そして、数十年後の持続可能でダイナミックな社会の実現に向けて今何を行うべきかを考え、理念の体系を再定義した。それが、東芝グループ経営理念、私たちの存在意義、私たちの価値観の3要素から構成される「東芝グループ理念体系」である。
「東芝グループ理念体系」は、東芝グループの持続的な成長を支える基盤であり、すべての企業活動の拠り所となるものである。この東芝グループ経営理念の主文である「人と、地球の、明日のために。」は、東芝の信念を端的に表している。新しいブランドビデオは、この信念のもとで世界をより良い場所にしたいと願いながら、社会課題に立ち向かう東芝従業員の姿を描いている。
ビデオ制作に参画した、世界各地のブランド担当者にその想いを聞いてみた。
地域特有の社会課題解決に、先端技術で貢献
東芝インド社デリー事務所でブランドビデオのレビューをするアビシェック・メタ氏
急速に成長しているダイナミックな市場の一つであるインドで、東芝ブランドの推進を担当しているのが、東芝インド社の広告・PR部門のシニアマネージャーであるメタ氏だ。
「インドでは、急速な都市化と工業化により、大気や水の汚染が深刻な社会問題となっています」(メタ氏)
インド政府機関のレポート(2018年公開)によると、インドの水の約70%が汚染されているという問題により、2030年までにGDPにマイナス6%の影響があると予測されている。
このブランドビデオでは、インドで最も神聖で重要な河川であるガンジス川において、東芝が水質改善に取り組んでいる様子を描いている。現在、東芝が導入した下水処理システムは、広大な領域で工業・生活廃水を浄化し、国家プロジェクトであるガンジス川の浄化に貢献している。
「このビデオに込めたメッセージを通して、インドの東芝従業員も、持続可能な社会実現へ向けた自分たちの責任を意識することができます。私たちは、変革への情熱を胸に、地球規模で起こっている様々な社会課題の解決に向き合っています」(メタ氏)
アフリカにおけるエネルギー安定供給の取り組みを紹介する山田千歌氏
東芝アフリカ社のPRマネージャーである山田氏は、地熱発電事業を描くセクションを次のように紹介する。
「アフリカ諸国には、気候変動による生活や経済への影響を受けやすい国が多くあります。こうした国の経済成長には、電化率向上や産業発展が鍵となるので、再生可能エネルギーの開発・導入による安定した電力基盤構築に、大きな期待が寄せられています」(山田氏)
インド洋に面し、東アフリカの貿易と経済の拠点として注目されるケニアでは、安定した電力供給のため、豊富な地下資源を活用した地熱発電開発に力を入れている。地熱発電は地球のエネルギー(地下の高温マグマ層の熱エネルギー)を利用して発電をするため、CO2排出量が極めて少なく、天候による発電量の変動が少ないクリーンで安定した発電技術だ。
東芝は、地熱発電の主要機器である蒸気タービンと発電機をケニアに導入し、ケニアの地熱発電設備容量の3分の1以上の供給している。
「地熱発電により、昼夜を問わず安定した電力を確保するためには、開発から製造、運用、メンテナンスまで長期的な取り組みが重要です。地熱発電システムの開発で50年以上の実績を誇り、世界に多くの地熱発電機器を納品してきた東芝の技術とノウハウは、アフリカ地域でも電力インフラの充実に貢献しています」(山田氏)
北はジブチから南はマラウイまで続く地溝帯沿いの地域には、未開発の地熱エネルギーが大量に眠っているといわれる。このビデオで描いた少女のように、未電化人口を低減できる取り組みを続けていきたいと山田氏は力強く語る。
メタ氏と山田氏の話を聞くと、それぞれの地域が直面している様々な社会課題に東芝が取り組んでいることがよくわかる。
「安全で、よりクリーンな世界を。持続可能で、よりダイナミックな社会を。快適で、よりワクワクする生活を」と、東芝の存在意義に込めた想いが具現化されていることを垣間見ることができる。
脱炭素など、地球規模の課題解決にも貢献
最後に、主に欧州地域ブランディング担当としてブランドビデオ制作に参画した、東芝欧州社のコミュニケーション&PRマネージャーであるマクドウェル氏は、次のように語った。
欧州地域のブランディングを担当するマット・マクドウェル氏
「今地球では、毎年510億トンもの温室効果ガスが大気中に放出されています。その結果、長期化、激化する熱波、干ばつの頻発、海面上昇、沿岸部の洪水、酸性雨、動植物の絶滅などが懸念されています」
地球規模で起きている様々な課題の解決に向けて、先端技術の発展に期待が高まっている。そのような中で、東芝には、脱炭素社会への道を切り開ける独自の先駆的な技術があると、マクドウェル氏は力を込める。
「中期経営計画『東芝Nextプラン』において、東芝はCyber Physical Systems (CPS)テクノロジー※を駆使してインフラサービスカンパニーへと変革を進めています。その中で、太陽光発電や風力発電、蓄電池などの複合的なクリーンエネルギーソリューションの提供や、パートナー企業との共創に取り組んでいます。こうした取り組みを、ブランドビデオを通して1人でも多くの人に伝えることが出来れば、うれしいです。」(マクドウェル氏)
※実世界(フィジカル)のデータをサイバー空間で分析し、活用しやすい情報や知識として実世界にフィードバックすることで価値を創造する技術
創業時から培ってきた発想力と技術力を結集して、複雑化・深刻化する社会課題に立ち向かい、「新しい未来を始動させる」ことが、私たちの存在意義である。
ブランドビデオ「A Sustainable World」には、私たち東芝の信念や想いを世界中のステークホルダーや従業員に届けたいというメッセージが込められているのだ。
“A Sustainable World” 関連コンテンツリンク: