DX化が失敗する3つの理由

2021/09/10 Kyle Tuberson

DX化が失敗する3つの理由

編集者注: 以下はICF、公共部門CTOであるKyle Tuberson氏に寄稿いただいた記事です。

 

数十年の間、時代遅れのITインフラストラクチャによって政府機関と民間企業の進化は阻まれてきた。

 

これらのシステムはビジネスプロセスの妨げとなり、もはやその使命目的を果たしていない。特に公共部門では、今後デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた大きな進歩が期待されている。2020年から2024年の間に、デジタルトランスフォーメーションへの直接投資は合計で7兆8千億U.S.ドルに達すると予想されている。

 

しかし、このような取り組みへの高額な国家予算を踏まえ、企業はこれまで以上に何が失敗する可能性があるかに注意しながら、DXにアプローチする必要がある。

 

多くの政府機関や企業が情報システムの近代化に向けた意欲的な目標を掲げている。責務を担うリーダー達は、データの断片化や深刻な相互運用性の欠落に対処して、必要なアプリケーションを作成し、生活者の体験価値を改善するためのアジャイル型のプラットフォームを求めている。

 

CIOは、世の中に先端テクノロジーが存在していることを認識しており、自社のビジネス慣行に最適化したいと考えている。しかし、これらの意思決定者は、その過程に潜在する障害に対して準備が不十分な場合がある。

 

わずかな誤りでさえこれらの取り組みを頓挫させることがあるため、最適な結果を得るには、DXに潜む課題とそれらを軽減する方法を十分に理解する必要がある。そのために下記で挙げている3つの典型的な間違いを回避することで、DXが成功する可能性が高くなる。

間違い1:組織を総体的に評価していない

多くの場合、CIOは情報システムの近代化への着手を切望するあまり、組織を総体的に評価することなく見切り発車している。まずはリーダーは現在のシステムの強みと弱みを調べ、すでに導入されているワークフローとプロセスを認識する必要がある。

 

この点を理解していないCIOは、今後の課題を軽減する方法もわからないだろう。

 

彼らは、効果的にITインフラストラクチャを近代化するための適切なリソースがあるかどうか、組織内に人材とその役割が揃っているかどうか、インフラストラクチャが近代化された後に組織が変わるかどうかを検討する必要がある。この評価を省くと、時間を浪費し、CIOは組織を正確に把握できないままになる。

 

また、教育も軽視されがちな課題の一つである。自動化は従業員の仕事に取って代わると信じられており、DXへの敵対意識を引き起こすことがある。実際には、近代化されたインフラストラクチャはより多くの雇用を創出している。リーダーはDXがもたらす新しい機会について時間をかけて従業員を教育する必要がある。

 

たとえば、(プログラム開発言語を使ったコーティングを必要としない)ローコード/ノーコード技術によって、ほとんど、または全くプログラミング経験のない従業員が、かつてはソフトウェア開発者しか担えなかった役割を遂行できるようになる。今では、ビジネスアナリストがプログラミングの仕事を引き受けることができるため、現在のプログラマーはより高度なプロジェクトに専念することができる。ITインフラストラクチャの近代化を成功させるには、パートナーとの調和がとれたエコシステムが機能している必要がある。

間違い2:適切な戦略に沿っていない

DXを成功させるための核となるのが戦略である。リーダーは任務の開始時に望ましい結果を厳密に分析し、そこから逆算してそこに至る最良の道を決定する必要がある。

 

戦略を立てることによって、意思決定者はインフラストラクチャの近代化へのアプローチを明確化できる。車の運転と同様に、どこに行くかを明確にするためには目的地が必要であり、そこにどのように到達するかを知るために段階的な指示が必要である。

 

デジタルの近代化でも違いはない。CIOはどのように戦略に指針をもたらすか、導入に向け作業をどのように遂行するか、成功をどのように測定するかを検討する必要がある。最終結果を批判的に熟慮し、それに合致する戦略を作成するのが重要であり、それをしないのは大きな間違いである。

 

綿密な戦略が必要だが、戦略を行動に変え、即座に価値を提供できるITベンダーを選択することも非常に重要である。効果的なITベンダーは連携部分を把握しており、迅速に任務を成功させるために、テクノロジーを適切に組み合わせて調整する方法を理解している。ITインフラストラクチャの近代化を保証し、今以上に失速させないために、CIOはその分野に精通したアジャイルで実績のあるパートナーを慎重に選択する必要がある。

 

リーダーは、どの部分を最初に近代化する必要があるかを調整しなければならない。多くの組織、特に機密性の高い情報を取り扱う組織にとって、サイバーセキュリティは重大なリスクである。CIOは、リスクベースのアプローチで戦略を考え、現在のシステムのどの部分を優先すべきかを戦術的に計画する必要がある。

間違い3:定期的なメンテナンス

ITインフラストラクチャの近代化が導入された後は、定期的なメンテナンスが必須である。これには、リーダーがインフラストラクチャを評価し、将来的に何がアップグレードを必要としているかを判別できる、一貫したポートフォリオのレビューが含まれる。これによって、ITインフラストラクチャの近代化が現時点の組織にメリットをもたらすだけでなく、今後何年にもわたってメリットが受けられることを保証する。

 

このメンテナンスプロセスにはガバナンスが大きく関わっている。近代化への取り組みが完了すると、重労働を成し終えたと思いがちだ。しかしながら、近代化は一度だけで終わる類のものではなく、常に進化していく取り組みである。CIOは、毎月検査を実施し、技術的なリスクが潜む領域や障害が生じている部分がないことを確認し、さらに進展させる部分も特定する必要がある。

 

定期検査に不可欠なものは、修正が必要な領域がある場合に、迅速かつ効率的に行動する能力である。これは継続的な統合/実装を可能にするCI/CDパイプライン(ソフトウェアの継続的インテグレーション/継続的デリバリーを実践するための一連のステップ)を通じて達成できる。CI/CDパイプラインによって、チームは新たに創り出したアイデアをタイムリーに実現できる。

 

政府が利用しているシステムを含め、従来のシステムでは、新しいシステムを展開するプロセスに最長で1か月かかっていたが、CI/CDパイプラインで稼働しているシステムは1日で推測して構築できる。

 

CI/CDパイプラインの統合により、アイデアを実際に具現化することができる。

間違えていた?データに相談

近代化は、その過程に障害が潜在する長期間の詳細なプロセスとなる場合がある。これらの間違いのいずれかでコースを逸れても、慌てないで欲しい。代わりに、一歩退いて分析する必要がある。このための効率的な手段は、週単位で何がうまくいっているかについてデータを分析することだ。

 

CIOは、自身の任務が何であり、成し遂げたいことをどのように評価していくかを自問する必要がある。この答えを見出せるかは、問題を明確化するためのデータの収集にかかっている。このことが問題領域の特定に役立ち、それを実行することで、任務を軌道に戻すことができる。

この記事はCIO DiveのKyle Tubersonが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願い致します。

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