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発電を支えるタービンって何? 約90年の歴史が培う匠の技


発電を支えるタービンって何? 約90年の歴史が培う匠の技

この記事の要点は…

巨大なタービンのあの部分は、設計上の許容範囲がたったの0.01mm!?

世界最高水準を誇る東芝タービン製造の極意に迫る

「NC加工×匠の技」でマイクロメートルの世界に立ち向かう

快適で安心・安全な暮らしを支える電気――その電気を作るためにさまざまな発電方式がある中で、変動する電力需要に対応し、安定して電力を供給してきたのが火力発電である。

そのコアとなる機器がタービン。

東芝は、1927年に23kWのタービンを製造して以来、90年以上にわたって設計・製造を手がけてきた。1950年代にはアメリカGE社と技術提携し、設備を増強。神奈川県横浜市にある京浜事業所はその先陣に立ち、重厚長大を象徴するタービンを製造する主力拠点である。

1927年初号機、ポンプ駆動用タービン(23kw)

1927年初号機、ポンプ駆動用タービン(23kw)

今回と次回の2回にわたって、工場の取り組みを紹介する。まずは、京浜事業所で長くタービンの製造に携わる4名に登場してもらい、知られざるタービンの秘密に迫ってみよう。

世界をリードする高効率発電技術

そもそもタービンとは、蒸気などの流体が持つエネルギーを回転エネルギーに変える機器のこと。

火力発電所の仕組み

火力発電所の仕組み

下図をご覧いただきたい。タービンはステータとロータからなり、ステータは蒸気を整流する静翼列として、ロータは高温高圧蒸気の流れを受け止め回転する動翼列として機能する。そしてステータで蒸気の流れを整えながら、軸方向に高温高圧蒸気を吹き付けてロータを回し、回転の動力を取り出している。このロータの製造を担っているのが京浜事業所だ。

タービン構造図

タービン構造図

日本では、繊維産業や電気鉄道の発展などにより電力需要が急増し、1920年頃から本格的な発電用のタービンが製造されるようになった。1960~70年代はカラーテレビの本放送開始や大阪万博開催、新東京国際空港(現在の成田国際空港)開港の特需を受け、大型の発電所が続々と立ち上げられるようになる。この頃のタービンの製造技術は大型化への対応がカギだった。

「京浜事業所でもタービンの製造ラインを50m延長したほどです。当時、国産の製造設備だけでは大型化に対応できず、当時最先端だった海外メーカーの技術を追いかけ、世界水準を目指す時代でした」(木内氏)

東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原動機部 タービン生産管理担当 グループ長 木内勝人氏

東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原動機部 タービン生産管理担当 グループ長 木内勝人氏

1980~90年代になるとタービンの大型化も一段落し、そのころから現在に至るまで、タービンそのものの高効率化が重要となっている。

ここで求められるのが精緻な構造と匠の技。蒸気タービンは高温高圧蒸気を内部に保持しながらロータを高速回転しなくてはならないからだ。

「ロータの設計段階において、許容される範囲の最大値と最小値との差は、たった0.05mm。回転するロータからの蒸気漏れ、つまり熱エネルギーの漏洩が少なくなるほど、発電効率が高められますが、隙間がゼロでは回転ができません。それが絶妙な寸法が求められるゆえんです」(前野氏)

東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原動機部 参事 前野敦氏

東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原動機部 参事 前野敦氏

「東芝のロータは振動がなく安定して運用できる、と高い評価をいただいています」(南氏)しかしそれを実現するには途方もない困難を乗り越える必要があるのだ。

東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原動機部 タービン組立課 課長 南勧次氏

東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原動機部 タービン組立課 課長 南勧次氏

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