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なぜ漢字は正しく変換できる? 今日に生きる日本語入力技術のルーツ


なぜ漢字は正しく変換できる? 今日に生きる日本語入力技術のルーツ

この記事の要点は…
約40年前の9月26日、初の日本語ワープロを発表

日本語変換技術は今日のスマホにも活用

不可能といわれた予測変換を実現

今や生活必需品となっているスマートフォンやパソコン。我々がLINEやメールなどで一日に打つ文章量も相当なものだろう。
そのなかで、「返信します」と打ったつもりが「変身します」と変換されてしまったり、「会議」と打ったつもりが「懐疑」になってしまうミスは、いかにもありがち。日本語の変換とは、なかなか難しいものだ。

その困難な日本語入力を世界で初めて実現したのが、東芝の日本語ワードプロセッサ、『JW-10』であった。
来る9月26日は、「ワープロの日」に設定されている。これは1978年の同日、この世界初の日本語ワープロが誕生したことにちなんだものだ(初出荷は1979年2月)。

およそ40年を経た現在、ワープロ端末自体は市場から姿を消しつつあるが、代わりに我々の生活では、パソコン上で稼働するワープロソフトが不可欠なものとなっている。また、日常的に使用する携帯電話やスマートフォンにも、元祖日本語ワープロの技術が生かされている。

世界初の日本語ワードプロセッサ

世界初の日本語ワードプロセッサ『JW-10』

世界初の日本語ワードプロセッサ『JW-10』

ワープロといってもこの端末、まだまだ今日我々がイメージするそれとはかけ離れたものだった。事務机をそのまま筐体としたようなサイズで、重量220kg。大卒初任給が約10万円という時代において、価格は実に630万円。もちろん文書の伝送機能などはなく、内蔵ハードディスク利用で200ページ分(40字×40行設定)、8インチ・フロッピーディスクを使用した場合で60ページ分の保存を可能とした。今日の記憶媒体からすれば隔世の感があるが、『JW-10』は当時、革新的な発明だったのである。


漢字とかなという複数種類の文字を併用するのは、英語にはない日本語独自の文化。日本語の文章を入力するには独自の技術が必要になる。しかし、当時これを機械に認識させることは、技術的に困難を極めた。
漢字を1文字ずつ単体で認識することはできても、同音異義語を判別して適切な変換を行うことは難しく、文脈から言い回しや熟語を判断することなど、遠い夢だった。

『JW-10』は「かな漢字変換」方式でこの問題を解決し、世界初の日本語ワープロとなった。これは前後の文字との関連性を理解し、単語として解釈する「意味理解」を実現させた、まさしく予測変換技術の源流というべき機能である。

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