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安全運転のさらに先へ 完全自動運転につながる小さな頭脳


安全運転のさらに先へ 完全自動運転につながる小さな頭脳

全国の交通事故の発生件数は年々減少しており、警察庁交通局の調べによると、2014年の交通事故死者の数は4113人となり、2013年の4388人から6.3%減少した。2001年以来14年連続の減少となっており、過去最悪だった「第一次交通戦争」とも呼ばれた1970年の1万6765人の1/4以下にまで低下している。

これは自動車がまだ普及していない1949年以来の低水準であり、行政や自動車メーカーの努力が着実に実をむすんでいる形だ。特に自動車の衝突防止技術の進歩は目覚ましく、いまや高級車から軽自動車まで幅広く採用されている。事故が起きそうになっても「ぶつからない」「自動で止まる」ことで事故の発生や死傷者数を減らすことができるこの技術には、高度な画像認識を行うプロセッサの存在が欠かせない。

東芝では、カメラからの入力映像を画像処理した後に人・顔・手・車両などの対象物とその動きを検出して、検出結果を出力する画像認識プロセッサ「Visconti™」を開発。すでに本システムを搭載した車両が市場に展開されている。今回は安全運転を陰で支える最新技術の秘密から自動運転の発展を探った。

小さなチップに詰まった高度な画像認識能力

アプリケーション実行画面

最大8つの画像認識アプリケーションを同時実行する

そもそも衝突防止技術というのは、カメラの画像やレーダーの反射波などから障害物を検知し、危険と判断したらブレーキをかけるというものだ。一見単純な仕組みに思える機能だが、常に状況が変化していく車の走行時に、これらの処理を瞬時に実行するのは非常に難しい技術が求められる。Visconti™では車載カメラから送られる画像情報を使用し、歩行者や車、障害物の検出を一つのチップでこなすというから驚きだ。

加えて「前方障害物」の他に「歩行者」「信号」「標識」「車線」などを、それぞれ検知し、別々の対象物として判断することができる。それにより、ドライバーが認識すべき情報を見落とさないように運転をサポートすることが可能になった。まさに次世代の技術ともいえるVisconti™だが、どのようにしてそれだけ多くのものを認識するのだろうか。

画像を認識するには、まず画像の中の物体が何であるかを把握する必要がある。例えば、歩行者を認識したい場合、カメラに映った画像のうちどれが歩行者に相当するのかを判別しなければならない。

Visconti™には、どんな形状の物体が歩行者なのかをデータにした辞書が備えられており、大量の画像データの特徴を辞書と照合する。それに適合したものだけが歩行者とみなされるわけだが、その際に重要となる特徴の抽出は、東芝独自の高度な検出技術が活かされている。

運転時にドライバーが必要な情報をくまなく認識し、車やドライバーへと送ることは、事故の発生を未然に防ぐことにつながる。独自の技術により、歩行者との距離や動く方向なども認識できるほか、複数のカメラから異なる画像を取り込み、それらを同時に認識することも可能なVisconti™には、運転時の更なる安全性の向上への重要なピースとして、大きな期待が寄せられている。

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