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日本から世界へ、過去から未来へ 東芝の電気機関車が描く軌道


日本から世界へ、過去から未来へ 東芝の電気機関車が描く軌道

この記事の要点は…

東芝は1923年から電気機関車を手掛ける老舗企業

8軸モーターのハイパワー機関車や日本初のリチウムイオン蓄電池使用のハイブリッド機関車もラインアップ

省エネモーター、IoT、AI…。新技術と並走する次世代の電気機関車とは?

私たちの日常を支える物流。海外では配送拠点から各家庭までのいわゆる「ラスト・ワンマイル」におけるドローンの利用が急ピッチで実用化に向かうなど、その姿も変貌しつつある。

しかし、いまだに重要な位置を占めるのが鉄道による貨物輸送だ。計画的・効率的に構築されたネットワークで長距離輸送のコストパフォーマンスは他の追随を許さない。トラックなどの輸送手段を鉄道などに転換して環境負荷の低減をねらう「モーダルシフト」も注目されているほどだ。

そこで、文字通り鉄道貨物をけん引するのが「電気機関車」である。東芝は1923年(前身の芝浦製作所時代)に初めて電気機関車を製造して以来、国内はもとより、中国、インド、トルコ、ニュージーランド、南アフリカなど各国に電気機関車を送り出してきた。交通インフラの中でも、東芝が長年に渡って注力してきた分野だ。

今回、東芝における「ミスター機関車」こと宮崎玲氏と「次世代機関車の設計リーダー」山田真広氏、電気機関車設計・製造を手掛ける両人のコメントを通し、日本から世界に広がる「電気機関車」の軌道を追っていきたい。

東芝インフラシステムズ株式会社 鉄道システム事業部 車両システム技術部 宮崎 玲 氏 東芝インフラシステムズ株式会社 府中事業所 交通システム部 山田 真広 氏

写真左:東芝インフラシステムズ株式会社 鉄道システム事業部 車両システム技術部 宮崎 玲 氏
写真右:東芝インフラシステムズ株式会社 府中事業所 交通システム部 山田 真広 氏

電気機関車製造の拠点で開発・設計の思想を聞いた

EH500形式交直流電気機関車

EH500形式 交直流電気機関車

電気機関車は、電気回路に始まって主変換装置、モーターなどの駆動用機器、ブレーキ、ベアリングなど、実に多様なシステム、パーツから構成される。東芝は電気機関車の車両と電気システムの設計開発をワンストップで手がけ、国内外に納入してきた実績がある。システムや装置、パーツなどを全て盛り込み一両の電気機関車を作り上げるのは大変なノウハウが必要なのだという。

「ここ府中事業所は、北海道から首都圏まで一両で運用できるEH500形式、通称『ECO-POWER金太郎』など、皆さんもおなじみの電気機関車を多数送り出してきました。私も入社以来、ハイブリッド機関車のHD300形式、青函トンネルなど新幹線・在来線の双方の車両が走行できる共用走行区間に対応したEH800形式、最近では名古屋鉄道に納入したEL120形などの設計、製造を担当してきました」(山田氏)

「私は入社以来、新幹線をはじめとする車両用機器、交通システムに携わってきましたが、電気機関車では海外向けが多いですね。印象に残るところでは南アフリカに納入した10E形など、タフな電気機関車を多く手掛けています」(宮崎氏)

南アフリカ向け10E型電気機関車

南アフリカ向け10E形電気機関車

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