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半導体が拓く自動車の未来 ~車載半導体最前線~


半導体が拓く自動車の未来 ~車載半導体最前線~

この記事の要点は…

半導体市場のトレンドは「車載半導体」!?

自動運転の要になるのは周囲認識用の半導体

自動運転の実現に向けた挑戦とは?

スマートフォンやタブレット、パソコンをはじめ、テレビやエアコンなどデジタル家電に欠かせない部品である半導体。だが、半導体はこれらのモバイル機器や家電だけでなく、自動車にも「車載半導体」として多く搭載されており、その存在感が年々大きくなっていることはご存じだろうか。車載半導体の世界市場は2016年から2024年の8年間で約200億ドル拡大するという調査結果もある。(注1)

自動運転をはじめ、電子化されたメーターなどの表示機器や電気自動車(EV)の普及なども背景に、自動車1台あたりの半導体製品の使用数は増加。その用途も、カーオーディオやドアミラーの開閉などの周辺機能から、自動車の走行や安全支援のフィールドにも拡大している。ここでは、日々着実な進化を遂げている自動運転を切り口に、車載半導体の今後を展望していこう。

(注1)出典:Strategy Analytics

自動運転の要。歩行者を認識する半導体

一般に、自動運転の実現には、センシング、認識、判断、制御の4つの要素が必要とされている。東芝が開発・販売を行っている画像認識プロセッサ「Visconti™」は、カメラからの映像を処理して、自分が運転する車周辺の車両や歩行者、道路標識などを検知する「認識」の役割を担っている。

自動運転を構成する4要素

自動運転を構成する4要素

「認識」は、その後の車両操作の前提となる情報を提供する非常に重要なものであり、認識の精度が自動運転車の安全性能を左右する大きな要因といっても過言ではない。その分、高いレベルでの認識性能が求められる。

「車載向けの画像認識では、周囲が暗いなどの悪条件下でも認識性能が高いこと、低消費電力で処理できることが求められています」

そう語るのは、東芝デバイス&ストレージ株式会社の惠谷文彦(えや・ふみひこ)氏だ。

東芝デバイス&ストレージ株式会社 ミックスドシグナルIC事業部 惠谷文彦氏

東芝デバイス&ストレージ株式会社 ミックスドシグナルIC事業部 惠谷文彦氏

Viscontiは、歩行者や障害物などの認識対象を撮影した膨大な画像データから抽出した対象物の特徴をもとに、これらを識別するためのパラメータ(注2)をあらかじめ作成しておき、カメラの映像とそれらをマッチングすることで対象物を識別する。しかし私たちが自動車を運転するのは、明るい昼間だけではない。非常に暗い夜道を運転する場合もある。その場合、人間の目では暗い状態で歩行者を見つけることは難しく、時には危険を伴う。このような環境下でも人や障害物を瞬時に認識することで運転者をサポートするViscontiには、過去から培ってきた様々な技術が蓄積されている。

(注2)パラメータ:プログラムを実施する際に設定する指示内容

Viscontiは、東芝の長年の画像認識技術や半導体の研究開発の成果を形にしたものだと言えます。例えば、郵便区分機における文字認識技術の知見や、テレビやゲーム機向けに開発した画像処理エンジンの技術が生かされています。次世代品の開発においても、東芝グループの研究開発部門と連携して進めています」(惠谷氏)

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