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ビルの保全にもクラウド×AI革命 東芝が提供する解決策とは


ビルの保全にもクラウド×AI革命 東芝が提供する解決策とは

この記事の要点は…

ビル管理・保全業務で進む労働力不足をクラウドサービス「Sharepo™」が支援する

ビル設備メーカーとしての知見に、画像解析技術やICT技術などを融合したサービス「Sharepo™」とは?

収集したデータを活用し、付加価値の創出と共創を目指す

オフィスビルや商業施設などでは、電気や空調などの設備機器を長期的かつ安定的に稼働させるために、点検や稼働データ収集の保全業務は欠かせない。また、各テナントにエネルギー使用料を請求するため、電気やガスのメーターを検針するビル管理業務も必要だ。これらの業務は、現場に行き、人の目と耳を通して設備をチェックしたり、メーターの数値を正確に記録したりすることで、ビルや施設を利用する方たちに安心・安全を提供している。ビル施設のインフラを下支えするヒューマンな業務なのだ。

しかし、昨今は熟練した作業員の高齢化と、退職した作業員の充足もままならず、慢性的な人手不足の問題が顕在化しはじめている。働き方改革の推進で総労働時間に制限があり、ビル管理・保全業務の運営は厳しい状況が続いている。このままでは、設備の故障や老朽化による不具合の発生頻度、検針作業での人為的ミスの発生確率が高まり、ビルや商業施設の快適な環境維持ができず、顧客満足度を低下させる恐れもあるだろう。

今までのビル保全業務では、紙の帳票や資料とともに記録画像撮影用のカメラも必須

今までのビル保全業務では、紙の帳票や資料とともに記録画像撮影用のカメラも必須

このようなリスクに備え、ビル設備の安心・安全、検針作業の正確性を担保するソリューションが、設備点検支援クラウドサービス 「Sharepo™」(シェアレポ)だ。

Sharepoは タブレット端末を活用し、ビル管理・保全業務のICT化を支援し、設備トラブルの未然防止と業務効率化をもたらすクラウドサービスである。さらに蓄積したデータを活用することにより、設備トラブルの発生予測の精度向上と業務の更なる効率化を目指している。

業務効率化により、ビル管理業界で深刻化する人手不足の解決をアシストしたい。そして、効率化で時間が浮いた分、早く退社して、リフレッシュしてもらいたい――東芝インフラシステムズでSharepoの開発、推進に携わる櫻井強一氏に思いを聞いた。

タブレット一つにビル管理・保全業務をオールインワン!

ビル管理・保全業務の効率化とは、煩雑作業の簡素化と出戻り作業の削減です。現場作業を例にとって考えてみましょう。ビル管理業務ではテナントごとに電気、ガスなどの利用料金を請求するため、メーターを検針します。また、保全業務では設備の点検作業と共に、稼働状況データなどを収集する計測作業もあります。ただ、それらの作業フローは意外と煩雑で、現場作業だけではなく、事前・事後の作業にも手間がかかります。

東芝インフラシステムズ株式会社 事業開発センター ビルDX推進部 櫻井強一氏

東芝インフラシステムズ株式会社 事業開発センター ビルDX推進部 櫻井強一氏

例えば、点検や検針に出かける前は前回の作業結果をプリントアウト。現場作業を終えて事務所に戻ったら、データを表計算ソフトに入力し、集計や検算をします。さらに、撮影した写真画像を整理し、報告用の書類にまとめます。一つの現場でも多くの設備がある上、一人でいくつもの現場も担当していたら、いくら時間があっても足りません。特に、検針データの入力漏れや記入ミスがあれば、再度、現場に行かなければならず、二度手間です。そこで、作業の準備、現場での記入、撮影、検針漏れや異常値の検知、作業後の報告書作りがタブレット一つで完結できるソリューションが必要だと確信しました」(櫻井氏)

Sharepoで簡単確実にメーターを読み取り、報告書作成も現場で完結

Sharepoで簡単確実にメーターを読み取り、報告書作成も現場で完結

点検や検針の現場作業では、従来、紙の帳票や資料を束で抱えて現場に向かうのが通例で、作業のエビデンスとして撮影用カメラの携帯も必須であった。しかし、タブレット端末から過去のデータが参照でき、音声やカメラ画像も取り込めるSharepoを活用すれば、作業前の帳票や資料のプリントアウトが不要で、事前準備が簡素化できる。

現場では必要な帳票や資料を紙の束の中から探す手間が節減できるし、チェック項目の入力漏れや検針データの記入ミスも防げる。また、クラウドにデータを保存すれば、事務所に戻ってからの入力作業や集計作業もいらない。これは大幅な労働時間の削減になり、残業時間減でコスト削減にもなる。

「検針作業で威力を発揮するのが『メーター読取支援サービス』です。タブレット端末でメーターの画像と検針値の両方を簡単に記録できますが、それだけがメリットではありません。検針データの単位や基準値の入力法を統一できますし、決められた手順通りに入力させたり入力項目の選択を補助したりするなど、人為的ミスを極力抑制できます」(櫻井氏)

現場の知見とICTの融合がもたらす、業務改善と働き方改革

Sharepoの操作は、ユーザーフレンドリーな工夫がなされており、導入現場で高い評価を得ている。慣れ親しんでいる既存の紙の帳票をベースに実際の検針現場で得たノウハウを使ってインプット画面などを開発しており、作業手順の変更が少なく、最終的な成果物をイメージしながら報告書が作れるため、熟練作業員からも好評である。

「前述のメーター読取支援サービスには、東芝が長年培ってきた画像認識技術や解析技術が活かされています。また、ビル設備メーカーとして培ってきた技術と、保守などに精通したノウハウも豊富に盛り込まれています。現場・現物というフィジカル(実世界)の知見とICTやクラウド技術とのマッチング。これは東芝が推し進めるCPS(サイバーフィジカルシステム(注1))の方向性にも合致したものです。」(櫻井氏)

※1:サイバー・フィジカル・システム(CPS)
実世界(フィジカル)でデータを収集し、サイバー世界でそれを分析、それをフィジカル側にフィードバックすることで付加価値を創造する仕組み。

「また、Sharepoは、お客様に展開する前に東芝の府中事業所内で、設備管理・メンテナンス用に採用され、実績を積み重ねることで、現場に即したサービスに進化させています」(櫻井氏)

このようにSharepoは現場の作業に目を向け、作業員の業務効率化や人為的ミスの削減に貢献するものであるが、それだけにとどまらず、現場作業を管理する側にもメリットがある。今までは、現場作業員が作業を終え事務所に戻り、データの集計や検算、撮影画像の貼り付けなど、報告書が完成するまで、待つ必要があった。しかし、Sharepoは現場でデータを入力するとリアルタイムで内容承認の依頼メールが作業管理者に届くので、報告書の作成を待つ必要がなくなった。

また、システム上で作業の進捗確認も取れるため、その場で追加の点検・検針業務の指示を行ったり、蓄積されたデータから今回得られたデータとの比較や確認をすることで、点検や検針結果の判断に要する時間を短縮できる。Sharepoは管理側の業務時間削減にもなるのである。

「Sharepoは現場側と現場作業の管理側の双方の業務効率化が見込めることから、その人員・時間を他に回すことで最適な業務配分ができるようになります。これは、SDGsの目標8『働きがいのある仕事と経済成長』に通じるものであり、働き方改革にもつながるものと考えています」(櫻井氏)

> 現場データ活用が新ビジネスの共創につながる

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