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オープンイノベーションが鍵!? モノづくり企業が作るエコシステム


オープンイノベーションが鍵!? モノづくり企業が作るエコシステム

この記事の要点は…

モノづくり企業も「エコシステム」を構築しなければ生き残れない!

東芝がオープンイノベーションでパートナーを募る4つのテーマ

エコシステムの構築に不可欠なものとは?

グローバル化やICTの進展に伴い、社会課題が複雑化し、顧客ニーズも多様化している現在。それらに対する答えを出すことは、もはや企業単体では難しいとされ、異業種や競合との共創による取り組みが必要とされる。各企業では、この「共創」という言葉を軸に、自社の特定の技術やリソースを公開し、社外からも広くアイデアを募ることで異分野の知見を積極的に取り入れるオープンイノベーションの動きが盛んだ。

社会課題の解決に向けて、エネルギーや社会インフラをはじめ、半導体やHDD(ハードディスクドライブ)といった電子デバイス&ストレージ、デジタルソリューションなどの分野を中心に事業を展開してきた東芝。フィジカル(実社会)とAIなどを活用したサイバーの両分野において、モノづくりで培った経験をもとに様々な技術を開発し、製品やソリューションを数多く提供し続けている。

今回、東芝は自社の技術やソリューションといった資産の有効活用に向け、スタートアップ企業やベンチャー企業とのパートナーシップを図るべく、パーソルイノベーション株式会社と提携し、公募型アクセラレータープログラム(※1)を開始した。

※1 大手企業や自治体などが事業共創を目的に、スタートアップ企業やベンチャー企業に対し、出資や支援を行うためのプログラム。今回東芝で実施のプログラムの公募期間は、2020年4月6日から2020年5月31日。

成功の秘訣は「エコシステム」をうまく作ること

「この20年は製造業受難の時代だった――」

そう語るのは、このプロジェクトを統括する東芝の執行役上席常務で最高デジタル責任者の島田太郎氏だ。

株式会社東芝 執行役上席常務 最高デジタル責任者 島田 太郎氏

株式会社東芝 執行役上席常務 最高デジタル責任者 島田 太郎氏

パソコンやスマートフォンからの情報を活用することで巨大な企業価値を生み成長したプレーヤーは多くいる。島田氏によると、彼らの成功は「エコシステム」をうまく組み立てたことだという。ここでいうエコシステムとは、人と人とをつなげる仕掛けやインセンティブをうまく組み合わせて、いろいろな人に様々なアイデアで製品やソリューションを展開してもらう仕組みをさす。

日本の製造業もモノづくりの強みを生かしつつ、エコシステムの構築に向けて自身を転換できなければ生き残れないと島田氏は主張する。

「私たち東芝は、モノづくりにおける技術力には自信があります。しかし、『モノからコトへ』という言葉を全部自分たちが作って提供すると解釈し、ソリューションまで作ろうとすると事業を拡大するのが難しくなる。特定の要素技術を社外に開放して、パートナーと一緒にやることで新たなエコシステムが作れると考えています」

島田氏が自信を見せる東芝の技術の源泉は、先端研究の蓄積だ。現在事業化を進めているものとして、理論的に情報の盗聴が不可能な通信を実現する量子暗号鍵配信技術や、血液1滴で13種類のガンの罹患可能性を判別できるマイクロRNA検出技術など、枚挙に暇がない。まさに実を結ぼうとしているこれらの技術の種は、いずれも1990年代に研究がスタートしたものだ。

マイクロRNA検出技術の実用化に向けて研究開発が進められている

マイクロRNA検出技術の実用化に向けて研究開発が進められている

「東芝には様々な研究領域をカバーしつつ、研究者の『飽くなき探求心と情熱』を長期間にわたって支援できる環境があります。こういった研究開発への取り組みは、スタートアップ企業やベンチャー企業単独では難しいのではないかと思っています」

島田氏は、このようにスタートアップ企業やベンチャー企業にとって難しいとされる領域を指摘する一方で、彼らの強みに着目している。

「スタートアップ企業やベンチャー企業は、技術の社会実装に向けて、お客様へプレゼンテーションしたり、集客したりする力に優れており、技術の使い道を変えていくようなアジャイル(俊敏な)活動に長けています。対して、私たちにはそういった部分に課題があると思っています。ですので、彼らのポテンシャルと東芝の技術をうまくマッチングできれば双方にとってメリットがあると思っています」

> 4つの事業領域の技術でパートナーを募る

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