「人と、地球の、明日のために。」原子力発電のあらゆる領域に携わり、設計者として成長したい ~理念ストーリー We are Toshiba~

2025/02/13 Toshiba Clip編集部

この記事の要点は...

  • 東芝を志したのは、京浜事業所で見たスケールの大きなモノづくりに感動したから
  • 社会に大きなインパクトをもたらす設計を担当するからには、「誠実であり続ける」という価値観を大切にしたい
  • 廃炉や再稼働、次世代炉設計など、原子力事業における知見が豊富な東芝で、様々な挑戦をしていきたい
「人と、地球の、明日のために。」原子力発電のあらゆる領域に携わり、設計者として成長したい ~理念ストーリー We are Toshiba~

「東芝が大切にしていること」を様々な現場で体現し、東芝を形づくる従業員の挑戦や想いに迫る理念ストーリーシリーズ。今回ご紹介するのは、京浜事業所で原子力の製造設計に携わる森川氏。「設計の狙い通りにモノが動いたときが楽しい」のだと語る。なぜ原子力事業に関わろうと思ったのか、自身の仕事に対する志、今後挑戦していきたいことを語ってくれた。

東芝の京浜事業所でつくられていたモノの大きさに感動

ある日の西日が差し込む夕方、東芝・横浜事業所内部の建屋にて、大きな原子炉を模したプールへ手際良く丁寧にロープを下ろしていく一人の技術者がいた。「大学時代から、原子力事業に携わりたいという想いがありました」と話す、原子力機器設計グループの森川史和氏だ。

東芝の企業ブランド広告「世界にまだない、あたりまえをつくろう。(気象・発電・交通)」篇より
東芝の企業ブランド広告「世界にまだない、あたりまえをつくろう。(気象・発電・交通)」篇より

「大学一年の春、私は東京で東日本大震災を経験しました。そのとき福島第一原子力発電所の事故がありましたが、脱炭素化を目指す動きや安全保障などの観点から、原子力発電は今後も国内において重要な選択肢になりうると考えました。また大学時代にロボコンサークルに所属しており、廃炉で活躍するロボットに興味を持っていたこともあって、自分もモノづくりを通して再稼働や廃炉、安全な原子力発電の開発に積極的に取り組んでいきたいという使命感を抱くようになりました」

大学時代は機械工学を専攻し、所属していたロボコンサークルでは、自作ロボットの性能を競い合うロボットコンテスト用のロボットを友人たちと製作していた森川氏。技術者としてモノづくりに携わることは自然な流れだったという。そんな彼が数あるメーカーの中で東芝に入社を希望したのは、モノづくり製造現場のスケールの大きさだった。

「学生の頃、京浜事業所を見学しました。製造現場で見た機器の大きさに感動しましたね。こんな大きなものを作っているのかと。東芝ならば廃炉に限らず、再稼働や建設など、幅広い業務に携わることができる。どのフェーズに携わったとしても、原子力発電に関する様々な課題に主体的に関わっていける。そう思い、入社を志望しました」

東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原子力機器装置部 原子力機器設計グループ 森川 史和氏
東芝エネルギーシステムズ株式会社 京浜事業所 原子力機器装置部 原子力機器設計グループ 森川 史和氏

現在、原子炉の保守・点検装置の設計に携わっている森川氏だが、東芝は、自分が携わりたい事業や職種も選んだ上で応募することができるという点も魅力だったという。

「保守・点検装置の設計は原子炉の安全な稼働には必要不可欠です。設計と言えど、全体のスケジュールを考えたり試験の方向性を考えたりなど、業務範囲は想像以上に広いですね」と、自身に与えられた仕事へのやりがいを感じていた。

面白いと感じるのは、「設計の狙い通り」にモノが動いたとき

原子力発電所を安全に稼働させるためには、保守点検と定期的な部品交換が不可欠だ。森川氏は、原子炉の燃料を取り扱う燃料交換機や燃料つかみ具をはじめとした様々な保守・点検装置の設計や、高温ガス炉、再処理工場などの交換用品の設計を行っている。

機器の設計には、様々な部門が関わってくる。まず、客先からの要求を基に作成された設計資料を受けて、どんな機器が必要か検討する。また機器の取り扱い方法や工事の大まかな流れを考え、必要な組み立て手順や試験をイメージして全体のスケジュールを立てる。その後、製造技術や設計部門、品質管理、組立、溶接部門などからのレビューを受ける。

ここでようやく製造フェーズに入る。部品を手配し、社内で溶接や組み立てをして最後試験を行い、問題なければ出荷する。製品にもよるが、設計から出荷まで半年ぐらいの納期を要するという。さらに工事になると、現場監督や作業員たちと綿密なコミュニケーションが必要になる。

「多くの部門が絡めば、人によって少しずつ認識もズレてくるため、こまめな認識合わせが必要」と森川氏は話す。

ロープを下す森川氏

「初めて燃料交換機の大型の改造更新に携わったとき、見たこともない機器ばかりで検討の進め方や作業手順などに悩みました。しかし、東芝には設計から製造現場まで多くの人によるノウハウが持ち寄られ、様々な領域における知見が豊富な設計者に指導してもらえる環境があります。先輩設計者や制作当時の設計担当者やメーカーなどと綿密に連絡を取りながら解決し、大きな成長を感じることができました」

原子力発電の安全な運用のために、点検装置の機器は、多くの部門によるチェックと長い工程を経て世に送り出される。丁寧なやり取りと緻密さが問われる仕事だが、やはり製品化された瞬間は嬉しいと森川氏は語る。

自分の設計したものが実物として製作され、設計の狙い通りに動作したときはやっぱり面白いですね。そしてなんといっても、その製品が執務室のすくそばにあるというのが、工場設計の醍醐味だと感じます。また、先輩方の様々な設計実績を参考に装置の設計仕様を自ら決められることや、それを多くのベテラン設計者からレビューしてもらいスキルが磨かれていくのも、東芝に入ってよかったと感じるポイントです」

正面を向く森川氏

廃炉、再稼働、次世代炉。原子力事業に関わるあらゆる領域に挑戦したい

様々な機器設計を通して成長を実感している森川氏だが、東芝の先輩設計者から直に学んだのは、「品質を守ること」へのこだわりだという。設計仕様を決定する際の理由や根拠の明確化と、それに基づいた製造をすることは、入社早々体に染みついた。

そんな森川氏が東芝グループ理念体系の「私たちの価値観」の中で大切にしているのは、「誠実であり続ける」という価値観だという。

「設計を進めていく上では、『自分の中で納得しているか』を重要視しています。少しでも不安があるものはお客様に説明できない。そして何よりそれが後々社会に対して大問題を引き起こしてしまいます。だから自分に嘘をつかない。自分の頭で考え、自分の目でしっかり確認することを常に心がけています」

指差し確認をする森川氏

入社以来、保守点検の機器に携わってきた森川氏だが、今後は原子力に関わるあらゆる領域に挑戦していきたい、と力を込める。

「東芝の強みの一つに、これまで積み重ねてきた原子力分野の知見があります。原子力発電の中核となる機器を製造できる会社はそう多くありません。だから、ここで身につけられることはたくさんあると思うのです。

未来の人々のためでもあり、地球環境のためでもある。まさに、東芝の経営理念『人と、地球の、明日のために。』に基づいた、社会的意義の大きい事業であると考えています。まずは目の前にある廃炉に取り組み、さらに安全対策をした上で再稼働や高温ガス炉での原子力活用にも積極的に関わっていきたいです」

原子力発電の安全性と信頼性を高めながら、クリーンで安定した電力供給を通じて持続可能な社会を実現したい。そう語る森川氏の目には鋭い光が宿り、静かなる闘志が燃えていた。

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