ブレずに貫き通す。 そのエネルギーが変革を生み出す~理念ストーリー We are Toshiba~

2020/10/15 Toshiba Clip編集部

この記事の要点は...

  • いかなる困難に対しても、逃げずに向き合ってきた
  • お客様との関係を築く上で、緊密なコミュニケーションが大事
  • 正しいと信じたことを貫き通す。それが「変革」につながる
ブレずに貫き通す。 そのエネルギーが変革を生み出す~理念ストーリー We are Toshiba~

東芝グループの理念や、大切にしたい価値観を現場で実践し、東芝ブランドを育む社員一人ひとりが抱く想いに迫る。入社以来、半導体の営業を担当してきた片山氏。支社勤務やシンガポール駐在を通じて、仕事をする上で大事にしてきたことを聞いた。

いかなる困難に対しても逃げずに向き合う

——数ある企業の中から東芝を志望した理由は何でしょう。

人と話すのが好きだったので、やるなら営業がいいなと思っていました。中でも、自社の技術を顧客の最終商品につなげていくコーディネーターのような営業の仕事に魅力を感じていました。東芝は技術力が高く、かつ事業領域も広いので、営業としてやりがいを感じられそうだなと思ったのが、興味を持ったきっかけです。最終的な決め手になったのは、東芝の人。説明会や面接を通して、「東芝の人っていいな。自分と合うな」と直感的に入社を決めました。

 

——入社後は、どのような仕事をしていたのですか。

私が最初に配属されたのは関西支社で、半導体の直販営業を担当しました。大手液晶メーカーの工場に出向いて、開発や購買の方と商談するのが主な仕事です。私は文系出身なので、最初は知らない技術用語がポンポン出てきて、打ち合わせ内容の2割くらいしか理解できない状態でした。でも、分からない言葉は会社に戻ってから自分で調べたり、こっそり先輩に教えてもらったりしながら無我夢中で仕事をしていましたね。

東芝デバイス&ストレージ株式会社 半導体事業部 半導体営業センター フォーカスアカウント部 第一担当 片山 裕平氏(1)

東芝デバイス&ストレージ株式会社 半導体事業部 半導体営業センター フォーカスアカウント部 第一担当 片山 裕平氏

——営業をしていて大変だと思うところはどんなところですか。

半導体の営業では、発注量が急増・急減することは日常茶飯事です。昨日は増やすという話をしたのに、今日は減らす話になることも。お客様から発注変更がある度に、冷や汗をかきながら各方面に頭を下げ、無理を聞いてもらうなど調整に駆け回ることになります。お客様と社内の製造部門の板挟みになり、時には何もかも放り出して逃げ出したくなることもありました。

しかし、お客様と会社の最前線で直接向き合うのが営業の仕事。お客様にとっては、私自身が「東芝」なのです。だから、どんなに辛くても逃げるわけにはいきません。お客様の信頼に応えるために「誠実であり続ける」ということの大切さを学びました。一番やってはいけないのは、できもしないのに相手に期待を持たせること。その場はしのげても、結局は相手に迷惑をかけ、信頼を失うことになります。できることと、できないことをはっきり相手に伝えつつ、落としどころを考えることが、営業の仕事には必要だと学びました。お客様と社内、両方の立場を考え、調整していくというのは営業でないとできないことです。お客様の要求をきちんと理解しつつ、「自分がどうしたら社内は動きやすくなるだろう……」と常に考えて、コミュニケーション面で解決を図っています。私は、そこに営業の醍醐味を感じているからこそ、今の仕事を楽しめているのだと思っています。

 

東芝デバイス&ストレージ株式会社 半導体事業部 半導体営業センター フォーカスアカウント部 第一担当 片山 裕平氏(2)

英語が話せないままシンガポール駐在へ

——その後、シンガポールで駐在員生活を送られていますね。

私が所属する東芝デバイス&ストレージ株式会社には、若手社員が海外拠点で1年間業務支援を経験するという制度があり、キャリアの幅を広げたいと思って手を挙げました。今思うと、英語もろくに話せないのによく上司が認めてくれたものだと思います。現地スタッフや本社の営業と連携しながら、様々な日系企業を相手にした半導体の営業を担当し、お客様の事業をサポートしました。シンガポールでの業務支援に就いて半年たったころ、このまま駐在員にならないかと誘われ、喜んで引き受けました。

はじめのうちは、現地の社員の自己主張が強いことや、どんなに仕事が立て込んでいても定時になったらさっさと帰ってしまうことなど、日本との違いで面食らうことばかりでした。さらに英語が満足に話せなかったために、現地社員とスムーズにコミュニケーションがとれない場面も多々ありました。しかし、どんなに格好悪くても、言うべきことは相手が理解するまでしっかり説明すること、相手の認識が間違っていると思ったらはっきりと「違う」と伝えることを意識し、分かってもらえるまでとことん向き合った結果、少しずつ現地に馴染んで、コミュニケーションがスムーズになりました。関西支社で学んだ「逃げない」姿勢がここでも役立ちました。

シンガポールでは、こういった経験に加え、日本では取引の機会がない様々な業界のお客様とお付き合いする機会も得ることができました。「未知の体験」が、自分を大きくしてくれたと思います。

 

——現在はどのような仕事を担当しているのですか。

東芝グループ向けの営業です。東芝では、グループ内であっても特別扱いせず社外のお客様と同列に扱っているため、私のようなグループ会社向けの営業担当がいます。シンガポールから本社に転勤となってしばらくは、家電系の関係会社に半導体を売る仕事を担当していたのですが、その後、SiC(炭化ケイ素)という鉄道車両などに用いられる半導体の事業が立ち上がるときに拡販担当を任されました。それまで扱っていた家電用の半導体製品とは業界も異なり、改めて東芝の事業の幅広さを実感しています。

現在はコロナ禍で在宅勤務が中心となり、お客様とのご連絡はもちろん、社内でも電話やメールでのやりとりが中心なので難しいですが、関西支社時代には、三重に営業に行くときに、途中の道の駅でみかんを大量に買ってお客様に配るといったことをしていました。みかんを配るついでに色々な話をするうちに、顔を覚えていただき、営業活動の結果、他社製から当社製品に変えていただいたということもありました。電話やメールだけでは聞けないような話も、対面だと話していただけるなど、やはり直接会ってお話したりするというのは意味があったなと思っています。今はそれが難しく残念ですが、こんなときだからこそ、新しい形のコミュニケーションによる営業を模索していきたいと思っています。

2014年、シンガポールにある現地法人のオフィスで、職場の仲間と。前列の左から2番目が片山氏。

2014年、シンガポールにある現地法人のオフィスで、職場の仲間と。前列の左から2番目が片山氏。

目指すは大企業でありながらベンチャースピリットにあふれた会社

——これまでの経験を踏まえて、仕事をする上で一番大事にしていることは何ですか。

自分が正しいと思うこと、必要だと思うことは、相手が誰であれ、はっきりと伝え、しかもそれをブレずに貫き通すことです。こんなことを言ったら嫌われるかもしれないと、何も言わないのが一番よくないことだと思います。そこからは何も生まれないし、何も変化しません。失敗してでもやってみるというのはとても重要だと思います。私自身、どんな立場の人に対してでも、言うべきことをちゃんと言うようにしています。これはとてもエネルギーがいることですが、変革というのは、こういったエネルギー=情熱から生まれるのだと思います。東芝グループ理念体系の、4つの価値観の一つである「変革への情熱を抱く」とはまさにそのことで、自分自身とても気に入っている言葉です。

——今後、東芝にはどんな会社になってほしいと思いますか。

東芝には、電子デバイスから社会インフラまで幅広い事業と、それを支える高い技術力があります。単体だけのビジネスで終わってしまったらもったいない。せっかく幅広くやっているなら、その強みを生かしたいですね。そのためには、上下間や組織の壁を越えて新しくどんどん提案していく。そうやって「ともに生み出す」ことが実現できればいいと思います。大企業でありながらベンチャースピリットにあふれた会社、そんな会社が私の理想です。

 

 

東芝デバイス&ストレージ株式会社 半導体事業部 半導体営業センター フォーカスアカウント部 第一担当 片山 裕平氏(3)

東芝グループ理念体系の図

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