“デジタルの声”にもアイデンティティが? 音声合成から未来を問い直す

2018/09/18 Toshiba Clip編集部

この記事の要点は...

  • わずか10文章で自分に似たデジタルの声ができるアプリ「コエステーション™」が登場!
  • 「声」は単なる情報伝達のツールではない・・・?
  • 東芝が打ち立てる未来の「“声”のある社会」とは?
“デジタルの声”にもアイデンティティが? 音声合成から未来を問い直す

AIスピーカーや音声配信サービス、オーディオブック・・・近年、大きく注目を集める製品・サービス群だ。これらの登場の裏側で、年々高まっているニーズがあるのをご存じだろうか。

 

それは音声合成。これは人工的に作ったデジタルの声のことで、カーナビや駅の案内など様々な場面で従来から使われてきた。この音声合成の領域に、今、新たな時代が到来しようとしている。キーワードは「似声(ニゴエ)」だ。

 

東芝の「コエステーション™(コエステ)」を通し、来たる未来を俯瞰しよう。

個人にひもづく声のアイデンティティとは?

まず、スマホのアプリストアの検索画面で「コエステーション」と入力してみよう(※)。口の形をしたマークが印象的なアプリが出てこないだろうか。これはユーザーが自分に似た声、すなわち似声を作って楽しむゲーム感覚のアプリだ。

※現在、App Storeで配信しています。

コエステーション™

コエステーション™

似声を作るプロセスは極めてシンプル。わずか10文を読み上げるだけで、アプリが自分の声の特徴をつかんだ声の分身「コエ」を生成してくれる。50文、100文と、読み上げるほど声が似ていくので、SNSでは「コエを育てる」面白さも話題になっている。

 

このアプリの大きなポイントは、一度「コエ」を作っておけば、教育やSNSなど様々な生活シーンに自分の「コエ」を活用できるということ。

 

「声って、人の顔と同じように重要なアイデンティティだと思います」

 

そう語るのは、コエステーション事業プロジェクトリーダーの金子祐紀氏だ。

東芝デジタルソリューションズ株式会社 RECAIUS事業推進部 金子祐紀氏

東芝デジタルソリューションズ株式会社 RECAIUS事業推進部 金子祐紀氏

「内容さえ伝わればいいという用途では、淡々とした無機質な声でも良いかもしれません。
しかし、”家族や恋人など自分にとって大切な人の声”、”大好きなタレントさんの声”などには、声質の良し悪しや好き嫌いとは別の特別な価値があると考えています。

 

例えば、SNSやチャットで友達からメッセージが送られてきたとき、その友達のコエで読み上げられると、いちいちスマートフォンの画面を見ずに済みます。また、洗濯や家事で手がふさがっていて子供をあやせないときに、オーディオブックの絵本が母親のコエで再生されれば、大きな省力となるでしょう」(金子氏)

 

さらに、国内だけでも50万人以上いるというけがや病気で声を失っている人々に、コエステを活用してもらうための研究なども進行中だ。

 

「コエステのコアとなる音声合成技術は、東芝が40年以上前から研究を続けている技術をベースにしていますが、モダンで使いやすい楽しいアプリにすべく、スマホアプリの開発は若手技術者に任せました」(開発リーダー 平林剛氏)

東芝デジタルソリューションズ株式会社 RECAIUS事業推進部 平林 剛氏

東芝デジタルソリューションズ株式会社 RECAIUS事業推進部 平林 剛氏

個人にひもづく声のアイデンティティ。この「未来の“声”のある未来」実現の第一歩には、若い感性が必要不可欠だったのだ。

コエステアプリを開発した若手技術者たち

コエステのアプリ開発に関わった3人。左から東芝デジタルソリューションズ株式会社 生産技術センター 松留貴文氏、ソリューションセンター 小柳健介氏、同 坂本鐘期氏

コエステのアプリ開発に関わった3人。
左から東芝デジタルソリューションズ株式会社 生産技術センター 松留貴文氏、ソリューションセンター 小柳健介氏、同 坂本鐘期氏

今回のコエステアプリでは、BtoB向け開発で一般的なウォーターフォール開発ではなく、アジャイル開発を採用。あらかじめ決められた仕様に基づき開発を進めるウォーターフォール開発に対し、アジャイル開発ではコミュニケーションをしながら素早く回すのが特徴だ。

 

開発メンバーによれば、金子氏や平林氏が、いろいろな業界へコエステアプリのプロトタイプを紹介しては改善意見や新しいアイデアを持ち帰ってきたが、アジャイル開発だったのですぐに試すことができたという。

 

「アジャイル開発は、今では当たり前で当社の他の部門も採用していますが、私たちにとっては初めての経験。この開発方式はチーム内のコミュニケーションなしには進みません。コエステチームの連携があったからこそ、アプリのローンチにこぎ着けることができたのだといえるでしょう」(小柳氏)

 

また、コエステでは“楽しい”と感じてもらえるアプリを目指し、“遊び心”をあえて入れていくよう強く意識した

 

「アイデアを思いついたらまず実装し、メンバーの反応を確かめながら進めました。例えば、似声を再生する際、口のマークがパクパク動くアニメーションにしたのも、そのような“遊び心”の一つです」(松留氏)

 

コエステは今後の私たちのコミュニケーションを変える可能性も秘めている。

 

「コエステには声の雰囲気をちょっと変える機能もあります。そのような機能も使ってゲームやSNSなど様々なところでコエのコミュニケーションを楽しんでもらえるよう、これからも開発を頑張っていきます」(坂本氏)

 

「現在、スマートフォンなどでは文字や写真のコミュニケーションが主流です。そこにコエステによる『コエ』を加えることで、自分のアイデンティティをより表情豊かに表出できるコミュニケーションの世界を生み出したいと思います」(小柳氏)

コエステメンバー

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関連サイト

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コエステ株式会社 | 多種多様な声が使える最先端の音声合成サービス

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