販売現場の人材不足を解決! 進化を続ける「セルフレジ」
2016/08/10 Toshiba Clip編集部
この記事の要点は...
- 「セルフレジ」が小売の現場に浸透中
- バーコードなしでもOK!?スキャン技術の進化
- 「セミセルフレジ」で会計効率154%アップ
スーパーマーケットでレジの前に続く行列。空きそうな列を見極めたつもりでも、隣の列が意外に早く進んで悔しい思いをする…誰もが経験したことのある”レジ待ちあるある”だろう。
こんなストレスを解消してくれるレジ端末が、販売の現場で急速に浸透している。東芝が展開するセルフレジ「WILLPOS-Self」シリーズ、そして「分担制チェックアウトシステム SemiSelf」だ。その特長は、レジ会計プロセスの簡便化と、レジ待ち、会計のスピードアップにある。
この背景には、流通小売業界の抱える課題があるという。商品企画・マーケティングを担当する後藤氏に聞いてみよう。
SS-900Gセルフレジタイプ
SS-900Kセミセルフレジ用会計機タイプ
「近年、流通小売業では慢性的な人手不足が悩みの種です。そのため、少ない人数でも効率よくチェックアウトが行えるセルフ、セミセルフレジの導入が加速しているのです。これはスーパーマーケットなど量販店だけではなく、専門店にも広がる流れです」
東芝テック リテール・ソリューション事業本部 商品・マーケティング統括部 後藤幾氏
そういえば、最近セルフスタイルのレジを目にする機会が増えてきたな…と思われる方も多いだろう。90年代にアメリカで導入されたセルフレジ。日本では2003年にスーパーマーケットで実証実験が始まり、近年はコンビニ、レンタルショップなどにも導入が進む。
「セルフレジは、お客さまに慣れていただくまでが大変です。販売現場にとっては効率が良いのですが、会計スピードはスキャンするお客さま次第。消費者側に明示できるメリットが少なかったのです」
しかし、一度操作に慣れると、セルフレジは通常のレジより便利なことも。普及期を経た東芝の最新モデル「SS-900」は、ATMと同様に上から紙幣を投入できる紙幣投入口や、業界初の硬貨トレイ付き硬貨投入口を備えている。レジ待ちが不要であることに加え、手続きの簡単さから、セルフレジを利用する人も多い。
「最近では、実験的に導入したセルフレジを普通のレジに戻した途端、『セルフレジが気に入っていたのに』というお客さまの声で、セルフレジのレーンを復活したこともあります。また、意外にセルフレジの利用率が高いのが海外のお客さま。チェッカーと言葉を交わす必要がなく、自分のペースで買い物ができる。私自身も、言葉が通じない外国で買い物をするとき、普通のレジとセルフレジがあれば、必ずセルフレジを選びます」
読み取り精度の高度化が進むセルフレジ
さらに利便性向上に期待がかかるのは、「オブジェクト認識」による読み取り精度の向上だ。
値引きシールつきの商品はシールを認識して値引き決済ができるなど、消費者への利便性が高まっている。
値引きシールのサンプル
今後はCCDカメラにより、商品を”オブジェクト”としてパターン認識し、バーコードのついていない生鮮、鮮魚、青果などが品種ごとに判別できるスキャナの搭載も進められる予定。りんごの「ふじ」と「つがる」を見分けて会計できるセルフレジの導入も近い。
近年に、驚きの急伸を見せる「セミセルフレジ」のフローとは
セルフレジの利便性が高まり、会計機本体の機能向上が着実に進む一方、決済システム「セミセルフレジ」も見逃せない躍進を見せる。
こちらは、商品のバーコード読み取りはチェッカーが行い、支払いは1レジにつき2台程度設置された会計専用機で消費者が行うというもの。専用機の操作はATMの入金感覚で行える。
「プロの手によるスキャンスピードを維持することができ、シミュレーションでは、1人制レジが1時間に45人をさばくところ、セミセルフは69人。実に154%の効率アップが見られました。」
また、セルフレジには専用のスペースが必要だが、セミセルフレジは現状のレーンに会計機を追加するだけなので、導入のしやすさも大きなメリットだ。東芝は2012年から投入を始めたが、2015年からニーズが急伸する動きを見せている。
「セミセルフレジの導入効果は目覚ましいものがあり、今後も導入店舗はさらに増えていくでしょう。しかし、セミセルフレジは私たちが用意するチェックアウト商品の一つ。販売現場のニーズを見極め、最適なソリューションをご提案していきます」
大型店舗では、一般のレジとともにセルフレジを併設。現状のレイアウトを生かしつつ、人手不足を解消しレジ待ち時間を短縮するセミセルフ…店舗の数だけ客層もさまざまなら、店舗の課題もさまざま。POSシステムシェア世界首位ならではのノウハウで、お客さまに最適なレジ、セルフレジ、セミセルフレジのベストミックスを提供できるのが東芝の強みだ。
慢性的な人手不足が指摘され、多様化を極める流通小売の現場。そこでは、ソリューションの豊富なラインナップそのものが打開策になるのだ。