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インドの経済発展のさらなる加速に向かって メイク・イン・インディアの火力発電


インドの経済発展のさらなる加速に向かって メイク・イン・インディアの火力発電

この記事の要点は…
経済成長著しいインドだが電力不足は深刻

東芝の現地法人が、火力発電所向け設備に関し、エンジニアリングからサービスまで一貫して行う事業に着手

現地での生産体制の整備が進められている

アジア経済の近未来を見据えれば、成長著しいインドの存在が見逃せない。しかし、経済面での活況に反し、電力事情はまだまだ発展途上にあるのがインドの実情
最先端のIT技術をキャッチアップし、海外ベンチャーも次々に進出する活況の反面、慢性的な電力不足に苛まれ、たびたび大停電が発生するなどインフラ面の課題は深刻だ。

そこで、年間発電量で10%の電力が不足しているといわれる同国の発展を支えるべく、東芝が火力発電施設の設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)のすべてをワンストップで請け負う大型EPC契約を受注。2016年8月には、インド国内において素材調達から加工まで含めて一貫製造された蒸気タービン発電機を初出荷した。

地元州政府および日本政府関係者の支援で工場と港を結ぶ幹線道路が整備されるなど、インド国内での期待も高い。これにより、アジア経済にどのような展望が見込まれるのか? プロジェクトの全容を探ってみた。

東芝ジェイエスダブリュー・パワーシステム社(TJPS)

インドで火力発電プロジェクト始動!

インドでは早期の電力インフラ整備が求められており、第12次5カ年計画(2012-2017)では88.5GW(8,850万kW)の発電能力増強を実現する予定で、その80%が火力発電となっている。

そこで東芝は2012年に発電用タービンや発電機の製造販売を手がける東芝ジェイエスダブリュータービン・発電機社を設立、古くから貿易・産業の中心として栄え、現在も急速に成長するチェンナイ市を工場立地とした。

また、2014年には同社と東芝インド社の火力発電エンジニアリング部門を統合し、新たに東芝ジェイエスダブリュー・パワーシステム社(以下、TJPS)を設立し、プラントの一貫対応=EPC(Engineering, Procurement and Construction)と発電所のキーコンポーネントであるタービン・発電機の自社製造、およびサービス事業を一社で対応できる体制を構築した。

東芝ではこれまで、アンパラ、ムンドラなどの各地に電力プラントの納入実績があり、800MW(80万kW)級タービン・発電機ではインドでのトップシェアを誇っています
今後、さらにインドを含めた周辺諸国に対する事業展開のために、製造拠点を確保することが急務となりました。
しかし、文化も環境もまるで異なるインドで、東芝がこれまで培ってきた技術を発揮することは、容易ではありません。これは我々にとり、”遙かなる挑戦”であると考えています」

そう語るのは、今回のプロジェクトに携わる東芝・京浜事業所の斉藤陽一氏だ。
その言葉の通り、京浜事業所での高度な製造技術や品質管理のノウハウをインドに移管することは、決して容易ではなかった。

「12億を超える人口、800を超える言語、そして多宗教など、多彩な価値観を持つインド人との意思疎通は、やはり大変でした。
たとえば首を横に振る仕草は、インドでは肯定を意味するなど、コミュニケーションの随所に違和感を覚えます。また、時間厳守の感覚も彼らとの間に大きなギャップがありました。
そこでまずは、日本流を押し付けず、インド人の文化を尊重していることを彼らに伝えることから始めたのです」(斉藤氏)

東芝 京浜事業所 品質保証部 主務 斉藤陽一氏

東芝 京浜事業所 品質保証部 主務 斉藤陽一氏

そのうえでTJPSでは、インド人の気質に合った訓練、教育を精力的に展開。
たとえば品質レベルの明快な評価軸を設定した作業標準書を作成したり、スケジュールを可視化することで時間コストの意識を周知させたりと、随所に細かな配慮がなされたという。

> 次ページ“メイク・イン・インディア”のために――インド仕様の教育研修で高精度生産を実現

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