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水素エネルギーで完全自給自足 ロボットが働く「変なホテル」とは?


水素エネルギーで完全自給自足 ロボットが働く「変なホテル」とは?

この記事の要点は…
水素エネルギーで稼動するホテル

水素をつくる・つかう・ためるが可能

再生エネルギーも地産池消に

昨年、長崎県佐世保市のハウステンボスにオープンした「変なホテル」をご存じだろうか。一風変わったネーミングのこのホテルは、「変わり続けることを約束する」をコンセプトに、オープン以来多くのユニークな取り組みを続けている。

お出迎えしてくれるスタッフは恐竜!?

スタッフは恐竜!?

フロントに入ると出迎えてくれるのは、人間のコンシェルジュではなく、3体のフロントロボットだ。「変なホテル」では、チェックインからチェックアウトまですべてロボットが対応する。恐竜ロボットの名前は「未来」くんと「希望」くん。一見怖そうな風貌だが、なんと日本語と英語を話すバイリンガル。とても優秀な恐竜なのだ。真ん中のロボットは笑顔が上品な女性型ロボット「ゆめ子」さん。細やかな動きやリアルな表情が癒しを与えてくれるので、未来くんの個性的な風貌がちょっと怖いという人は、ぜひゆめ子さんにチェックインをしてもらおう。

刺激的な表情で出迎えてくれるバイリンガルの恐竜・希望くん 

刺激的な表情で出迎えてくれるバイリンガルの恐竜・希望くん 

フロント以外にも、荷物を客室まで運んでくれる「ポーターロボット」や、客室内で会話のできるロボット「ちゅーりー」ちゃんなど、多くの敏腕ロボットたちが業務にあたっている。ちなみにちゅーりーちゃんは、現在時刻や室内温度、今日・明日の天気を教えてくれるだけでなく、電気のオンオフをしてくれたり、朝になれば指定した時間に起こしてくれる。「ありがとう」と感謝の言葉を贈れば、「お安いご用ですよ」と返してくれるのも会話ロボットならではのおもてなしだ。

客室内ロボットのちゅーりーちゃん

客室内ロボットのちゅーりーちゃん 

水素エネルギーによる発電もスタート

革新的な取り組みを行うハウステンボスでは、新エネルギーの利用にも積極的で、これまでもメガソーラーやマイクログリッドなどに取り組んできた。「変なホテル」でも、2016年3月にオープンした2期棟(ウェストアーム)の12室で、次世代エネルギーとして期待される水素エネルギーによる電力と温水の提供をスタート。納入されたシステムは東芝が開発した自立型エネルギー供給システム「H2One™」だ。

水素の「つくる」「ためる」「つかう」を完全自給自足する「H₂One™システム」

水素の「つくる」「ためる」「つかう」を完全自給自足する「H₂One™システム」は水と太陽光のみで稼働可能

「変なホテル」では、「エネルギーの地産地消」などを目的に東芝の「H2One™」を導入。「H2One™」が生み出す再生可能エネルギーと水素エネルギーだけで2期棟ホテルの一棟まるごと年間を通して電気と温水を供給することができる。これにより、ホテル内の最新設備に必要な電力や、客室のシャワーに使う温水などを、環境に配慮した形で提供可能になる。また「H2One™」は自立型のエネルギー供給システムであるため、災害時でも電力や温水を提供できる。緊急時の備えとしても心強い存在だ。

「H2One™」は以前TOSHIBA CLIPでも取り上げた通り(エネルギー問題を救え 水素社会を実現するH₂One™)2015年4月から川崎市と共同で官民一体となった実証実験を開始しているが、今回ついに一般のお客様に触れる形での実証実験をスタートさせることになる。ホテルで電気がつかなくなったり、温水が出なくなるようなことがあってはならない。インフラとして宿泊客の満足度やホテルの信頼にも関係してくる分、これまでと比べより実践的な環境となるが、そういった中でも問題なく稼働することができれば、水素社会の実現へまた一歩近づくことになる。

また、「H2One™」は、晴天の昼間は太陽光で得た電力を使って水素を生成し貯蔵し、夜間や天候の悪いときは水素を燃料電池に与えて電力を供給する、再生可能エネルギーと水素エネルギーのいわばハイブリッドシステムで、エネルギー問題が深刻化している我が国において、問題解決の切り札となる可能性を秘めているといえるだろう。

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