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ロシアを驚かせた郵便区分機 日本式インフラの革命技術


ロシアを驚かせた郵便区分機 日本式インフラの革命技術

この記事の要点は…
日本の郵便技術がロシアの物流事情を大きく改善

1日あたり約132万通の郵便、約70万個の小包を仕分け可能

日本政府の対ロ経済協力

高速で郵便区分機に吸い込まれていく、数百通の封筒。ある封筒はモスクワ向け、また別の封筒はエカテリンブルグ向けに区分されていく。
モスクワ南西に位置する、ブヌコボ国際空港の近くにあるモスクワ国際交換局での光景だ。空港から届いた国際郵便や国際小包はすべてこの交換局に集められ、税関チェックを経たのち、仕分けされてロシア全土に発送されていく。
その仕分け能力は、郵便物にして1日あたり約132万通、小包では約70万個にのぼる。

モスクワ国際交換局の様子
この動画は2016年12月16日に公開されたものです。

ロシア郵便の近代化のプロジェクトが本格的に動き出したのは、2013年のこと。
インターネットショッピングの隆盛に伴って国外から届く小包、特に中国からの小包が急激に増える中、税関処理と仕分け処理を大幅に高速化・効率化する必要があった。

そんなロシア郵便の近代化に事業機会を見出したのが、世界初のOCR郵便区分機を開発し、これまで20カ国以上に郵便区分機を納入してきた東芝だった。

東芝 郵便区分機

トータルシステムインテグレーターとして、仕分けの効率化を提案

「ロシア郵便に最適な機器を納入するため、物流業界全体のトレンドや顧客のニーズに注意して耳を傾けました」と語るのは東芝ロシア社のエブゲニー・プローニン氏。
東芝ロシア社のインフラシステムソリューション社事業部門の責任者として、日本にいる東芝グループのメンバーや、東芝インターナショナル米国社と協力しながら、ロシア郵便との折衝に努めた。

東芝ロシア社のエブゲニー・プローニン氏

東芝ロシア社のエブゲニー・プローニン氏

プロジェクトメンバーたちは、足しげくモスクワ国際交換局に足を運ぶうちに、国際交換局には、超小型の小包が多いことに気付く。
そこで、小包は一台の機械で全て処理するのが一般的だったが、小包を中型と小型にまず仕分けし、別々の装置で処理することで、小包の仕分けをさらに高速化・効率化できることを説明。
郵便区分機に加え、EMSソーター(速達小包仕分け機)、SPSソーター(中型小包仕分け機)、MPSソーター(小型小包仕分け機)の4種類の機器で処理することを提案した。

世界でも最高レベルの性能を誇る郵便区分機に加え、この顧客のニーズに沿った提案内容がロシア郵便の心をつかんだのだ。

さらに、仕分けの前に生じる工程である税関作業についても、東芝がインテグレーターとして改善を提案。
ロシアでは国外から届く全ての荷物の申告重量と実際の重量を税関でチェックする必要があり、多くの手間と時間がかかっていたが、今回納入したシステムにより、申告内容の読み取りと重量計測が自動化された。
オペレーターは、モニターを監視しながら、申告内容と重量、またX線検査装置で確認した中身に齟齬がないかをチェックするだけでよくなり、劇的な省力化と時間短縮が実現したのだ。

モスクワ国際交換局

※クリックで画像拡大(別タブで開きます)
税関では国外からの小包の帳票に記載されている宛先や中身の情報をオペレーターが手入力していたため、処理に時間がかかり、滞留の要因となっていた。本システムは、帳票の情報を機械が読み取り、入力作業が自動化されるので、大幅な効率化が可能となった。

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