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指先がデバイスになる!? “革新”のオープンネイル


指先がデバイスになる!? “革新”のオープンネイル

この記事の要点は…
チップの技術基盤は「立体画像認識」と「3次元プリント」

市場を一変させる潜在力を秘めている

ネイルは新時代のプラットフォームになる

指先を彩るネイルチップ。ICTとは縁遠かったファッションアイテムだが、「立体画像認識」「3次元プリント」というテクノロジーを乗せることで、新たな市場展開、そして次世代のビジネスモデルが見え始めた。

「電機メーカーが手掛けるネイルチップ」。この異色のマッチングはどんな着想で生まれ、どのように商用化に向かって進められているのか。企画・開発を手掛けてきた中心メンバー、そしてパートナー、営業スタッフが集まり、新ビジネス「オープンネイル」の過去・現在・未来を語る。

「オープンネイル」プロジェクトメンバー。

「オープンネイル」プロジェクトメンバー。
左から、東芝 中村氏、株式会社ミチ 中崎氏、東芝 千木良氏、同 寺岡氏。

画像認識、ディープラーニング――高精細技術を爪の先に投入した背景

――ネイルチップ、いわゆる「つけ爪」をつくる「オープンネイル」というプロジェクトを手掛ける皆さんにお集まりいただきました。「オープンネイル」とは、その人の爪の形状に合ったネイルチップを顧客ごとにカスタムフィットさせる仕組みです。

東芝 技術企画室 千木良康子氏(以下 千木良) 東芝独自のソフトウェアで爪の形や輪郭を画像認識で読み取って、その人の爪にぴったり合うデータを自動で作り出します。フィット感、付け心地を向上させるため、当社の画像認識技術や製造技術を生かした「精度良く爪を検出する技術」と「正確にネイルチップを造形する技術」により、弊社ならではの差異化したサービスができると考えています。将来的には蓄積されたデータを元に「深層学習技術」も適用し、より高精度で効率的なサービスに発展させたいと思います。

東芝 技術統括部 技術企画室 主務 千木良康子氏

東芝 技術統括部 技術企画室 主務 千木良康子氏

東芝 デザインセンター 寺岡佳子氏(以下 寺岡) 東芝のクラウドで生成したネイルチップデータを3Dプリンターで出力し、ミチさんのネイリストが装飾を施して完成、というフローですね。

このプロジェクトにおいて私はデザイナーとしてプロトタイプ段階から主にUI(ユーザーインターフェース)のデザインを手掛けてきました。同じ初期からのメンバーにはプロダクトデザインの担当もいます。営業の中村さん、ネイルチップの製造販売を手掛けていらっしゃる株式会社ミチの中崎さんと一体になって進めてきました。

株式会社ミチ 代表取締役社長 中崎瞬氏(以下 中崎) 千木良さんが解説してくれた東芝の精緻な技術がなぜ必要なのか? 僕がネイルまわりの状況を整理してみましょう。

爪の装飾に用いられるのはネイルチップ以外にもマニキュア、ジェル、ネイルシールなどですが、それぞれ一長一短があります。爪に直接描くジェル、マニキュアはサロンでのサービスが一般的で、時間と手間が掛かるのがネックになります。

「オ-プンネイル」プロジェクトで個々人の爪の形に合わせて作られたネイルチップ。

「オ-プンネイル」プロジェクトで個々人の爪の形に合わせて作られたネイルチップ。

一方、ジェルやマニキュアに比べて簡単に取り入れやすいのがシール、チップです。時間、付ける手間はそれほどかかりません。

ただ、シールは汎用性を高めたサイズや型になっていて、誰にでもフィットするわけじゃない。そして、よれやすく、はがすのが困難といったデメリットがあります。

そして、専用のりを使って自分で装着するのがネイルチップです。きれいなデザインが揃い、同じく装着も簡単です。ただ、こちらもその人に合わない場合付け心地に難点がある。付け外しが簡単な分、紛失しやすいのがウィークポイントです。

だけど、これが爪にぴたっとフィットしたらなくしにくくなりますよね。ジャストフィットするネイルチップが望まれていたわけです。

東芝 インダストリアルICTソリューション社 中村恭子氏(以下 中村) ネイルまわりの悩み、すごくよく分かります。私も週末だけネイルチップを使用していた時期がありますが、現在はジェルネイルユーザーです。ネイルチップは値段が安くて付けたいときだけ付けられるのは便利でいいけど、自分で削って付けるのが面倒で……。チップならではの便利さ、一方での歯がゆさはよく分かります。

実際に付けてみると分かりますが、このネイルチップのすごさはフィット感にあります。これは体験しないと分からないもの。まだ実証実験前の段階ですが、早く世の中に届けたいですね。

千木良 中崎さん、中村さんが言ってくれたように、私たちが目指すべきなのは爪にジャストフィットするネイルチップです。ぴったり合わせるには、爪の画像データを正確に認識し、0.数ミリ単位で補正しなければなりせん。高度な画像認識、検出技術が要求されるのは、こういった事情があるからなんです。

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