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「ソサエティー5.0」の衝撃 第5の新たな社会とは


「ソサエティー5.0」の衝撃 第5の新たな社会とは
この記事の要点は…

世界各国でICT×製造業の取り組みが活発

日本は「ソサエティー5.0」の実現を目指す

モノづくりと新社会の到来が視野

IoTを積極的に活用し、製造業の競争力を高めようとする動きが活発だ。代表的なものが、ドイツが国策として掲げる「インダストリー4.0」。こちらは第4次産業革命とも呼ばれて注目を集めているが、日本でも産学官の連携による独自の取り組みが進んでいる。それは、「ソサエティー5.0」だ。人類がこれまで歩んできた「狩猟」「農耕」「工業」「情報」に次ぐ第5の新たな社会――壮大な計画はどのように進められているのだろうか。

各国でモノづくり産業革命が進む中、日本が打つ次の一手は?

まずは、世界的に進められている「新・モノづくり」ムーブメントについて解説しよう。前述の通り、ドイツが産学官連携で実現を目指している「インダストリー4.0」。

工場の設備にセンサーを行き渡らせ、データを収集して生産性を向上。サプライチェーン管理の効率化を図り、国内の製造業全体を一つの「スマート工場」として機能させようとする構想だ。ドイツ政府は2011年という早期段階からプロジェクトとして具体化させており、シーメンス社、ボッシュ社などの民間企業、フラウンホーファー研究機構などの研究機関も関わっている。

一方、アメリカのGE社が2012年に提唱したのが「インダストリアルインターネット」。こちらは産業機器からデータを収集し、そのビッグデータ分析によって生産性の向上を図ろうとするもの。
GEは社内改革にとどまらず、シスコシステムズ、IBM、インテル、AT&Tなど5社で「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」を設立。先端企業のアライアンスによる新産業創出、標準規格策定などを視野に入れている。

日本でも「インダストリー4.0」への取り組みが進んでいるが、一方で日本が取り組むソサエティー5.0とはどのようなものなのか。こちらはドイツ、アメリカにはやや遅れを取り、2016年に産声を上げたもの。日本の科学技術政策の司令塔である内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)が定めた「第5期科学技術基本計画」が初出だ。

インダストリアルインターネット イメージ

このプランで提唱しているのは、サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)が高度に融合した未来の社会像を共有し、実現に向けて進んでいこうというビジョン。そこでは、「モノづくりだけでなくさまざまな分野に広げ、経済成長や健康長寿の形成、さらには社会変革につなげていく」(※1)というメッセージが高らかにうたわれている。

インダストリー4.0やインダストリアルインターネットは、あくまでICT、IoTによる製造業の革新、生産性の向上にフォーカスしたもの。しかし、ソサエティー5.0はICT、IoTで「社会のありよう」を変えようとしている。日本が抱える人口減少や超高齢化、環境・エネルギー、防災対策といった諸問題への配慮が見られるのだ。

ちなみに、この基本計画は5年おきに決定され、そのタームでの科学技術政策の基本方針になるもの。第5期における政府の研究開発投資額は5年間で26兆円が見込まれており、政府が企業、大学機関と連携し、ソサエティー5.0を重点的なテーマとしてイノベーションを進めようとしていることが伝わってくる。

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