loading
TOP > 社会インフラ > シンガポールのEC市場が好調 急成長する物流を支える新システム

シンガポールのEC市場が好調 急成長する物流を支える新システム


シンガポールのEC市場が好調 急成長する物流を支える新システム

観光地としてはもちろん、多くの外国企業が進出していることでも有名なシンガポール。一時期の進出ラッシュはおさまったものの、現在でも多くの企業がシンガポールに進出している。税制や外資の規制に優位な点が多いほか、赤道直下に位置するこの国では自然災害の心配もない。津波や地震などと無縁であることから、金融機関やIT企業が重要施設をシンガポールに設置することも多い。

急成長するASEAN諸国の中心として存在感を放っているシンガポールだが、eコマース市場にも注目が集まっている。実際にシンガポールの郵便サービスを担うシンガポール・ポスト社は、手紙などの郵便物が減っていく中で、eコマース事業に舵をきったことで利益を拡大させた。eコマース事業での利益は全体の28%を占めており、アディダスやグルーポンなど200以上の企業が既にこのサービスを利用している。

その背景にはASEAN諸国では一人当たりの国民所得の上昇やインターネットの普及により、多くの消費者がPCやスマートフォンを通じてインターネットで買い物をするようになったということがある。現状では圧倒的シェアを占める企業はまだ存在していないものの、成長の初期段階であるにも関わらず、極めて厳しい競争が行われている。東南アジアのeコマース市場は、2013年から2018年にかけて年平均成長率(CAGR)37.6%で成長するともいわれており、同市場において世界で最も速いペースで成長を遂げる地域のひとつとなりそうだ。

しかし、その結果シンガポールをはじめとするASEAN諸国では小包量が急激に増加。その影響から、郵便事業でクレームがつくことも少なくない。再配達の場合になかなか商品が届かなかったり、不在通知が入れられていないというケースもあるほか、時には年賀状やクリスマスカードなど、その時期に届かなければ意味をなさない郵便物が遅れて届くこともあるという。今後も小包量がさらに増加していくことを考えれば、配達時間短縮やコスト低減などを実現する新しいシステム機器の導入が不可欠だ。ASEAN諸国において、物流の効率化は大きな課題のひとつとなっている。

郵便物の機械処理へ

この動画は2015年5月10日に公開されたものです。

効率化のためには、郵便物の自動処理が必須となる。東芝では、シンガポールの郵便事業会社であるシンガポール・ポスト社から郵便物自動処理システム一式を受注、2015年1月に納入を完了した。

このシステムは従来の郵便区分機に加え、雑誌や小包を処理するフラッツ自動仕分機(Flats Sorting Machine),小包仕分機(Parcel Sorting Machine)や、光学式文字読み取り(OCR)・バーコード認識処理、VCS(Video Coding System)などをひとつにした「統合OCRV(OCR and Video Coding)システム」、そして、運用計画や稼働情報を管理する「ITシステム」からなる。

発送された郵便物の表面に記載された宛先住所を自動で読み取り、配送先ごとに郵便物を区別できる。1時間あたり42,000通の高速処理と高い文字認識率が特長で、さらに低騒音・低消費電力・省スペースと環境にも配慮されたシステムだ。

本案件はシンガポール・ポスト社が15年前に納入したシステム・機器の一括リプレースであり、従来は26台の機器で運用されていた。本システムではそれをわずか16台の機器で同等以上の性能を達成。シンガポール・ポスト社が国内で取り扱う郵便物量の大部分の機械処理を可能にした。これにより、シンガポールの郵便事業は大きな変革を遂げることとなった。

郵便区分機

> 次ページ従来のシステムとの違い

  • ↓ スクロールで続きを読む ↓