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持続可能で環境に調和した エネルギーへの期待


持続可能で環境に調和した エネルギーへの期待

この記事の要点は…

地球を守る持続可能な開発目標とは

火力発電の進歩で、温室効果ガスの排出量を削減!

エネルギーミックスのための火力発電

環境と調和するエネルギー – 火力発電に求められるもの

2015年9月、国連は持続可能な開発目標 (SDGs: Sustainable Development Goals) を全会一致で採択した。SDGsには17個の目標があり、7番目は「エネルギー:すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」であり、13番目は「気候変動:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」となっている。

同じ2015年に開催された国連気候変動枠組条約締約国会議においてもパリ協定が合意され、翌年に発効された。パリ協定では、先進国、発展途上国を問わずすべての参加国に温室効果ガスの排出削減の努力を求めている。日本は、2030年の温室効果ガスの排出を2013年比26%減とすることを目標にしている。

気候変動に関わる取り組みは、国だけにとどまるものではない。金融安定理事会(*)によって設置された気候変動関連財務情報開示タスクフォース (TCFD: Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は、企業に対して、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4項目において気候変動の影響を開示すように求めている。

(*) 主要25か国・地域の中央銀行、財務省、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)等の代表が参加し、金融システムの安定や、脆弱性への対応を担う当局間の協調促進活動等を行っている。

SDGs

世界が温室効果ガスの削減に向けて足並みを揃える一方で、OECDと国際エネルギー機関の見通し「World Energy Outlook」によると、人口増加や経済成長によって世界の電力需要は、中国やインドなどを中心に大幅に伸びると予測されている。そして、これらのエネルギーを必要とする人々の需要に応えることにも言及している。すなわち、増大するエネルギー需要に応えつつ、温室効果ガスである二酸化炭素 (CO₂) の排出量増加も抑える必要があるのだ。

この解決法として、太陽光や風力など、再生可能エネルギーへの期待が高まっている。しかし、現状では再生可能エネルギーの中には、エネルギー源としては変動を伴うものもあるため、維持・供給されるべき発電量 (ベースロード) を最低限賄うため、かつ、再生可能エネルギーによる変動を補い調整するために、調整電源としての役割が火力発電に期待されつつある。

もちろん火力発電にも、CO₂排出量削減のための進歩が求められている。東芝は、これからの火力発電の在り方として、発電効率を上げることによるCO₂排出量の削減、さらにはCO₂を回収する技術の開発と提案を行っている。

世界最高効率の火力発電でCO₂排出量を削減

CO₂の排出なくしてエネルギーを生産することができない火力発電では、無駄なく効率的に発電することによってCO₂排出量をできるだけ少なくする進歩が求められてきた。このために東芝は、二つの能力の向上を目指している。一つは、できるだけ少量の燃料から、多くのエネルギーを生産するための、発電効率の向上である。

東芝が発電設備を受注し、建設工事を行った中部電力の西名古屋火力発電所7-1号では、コンバインドサイクル発電設備として世界最高記録となる、発電効率63.08%(低位発熱量基準)を達成した。2018年3月の時点で、世界で最も環境負荷が少なく、電力の安定供給に貢献する火力発電プラントである。

西名古屋火力発電所7-1号

西名古屋火力発電所7-1号


●コンバインドサイクル発電の仕組み
① 燃料を圧縮空気中で燃やして発生させた高温高圧ガスでガスタービンを回して発電を行う
② ガスタービンを回し終えた排ガスの熱を利用し、排熱回収ボイラで水を蒸気に変え、蒸気タービンを回すことで発電を行う
この二段階の発電サイクルの組み合わせ (コンバイン) で効率を向上させている。

コンバインドサイクル発電の仕組み

コンバインドサイクルに限らず、火力発電の効率はタービンに入る作動流体の入り口側の温度と、出口側の温度差によって決まってくる。最終的な出口側の温度は、冷却に使用する海水温などによって決まるため、入り口の温度と出口の温度差を高くするためには、入り口側の温度を上げる必要がある。

世界最高となる発電効率を実現した西名古屋火力発電所のプラントでは、入り口側の温度を高めることを中心に発電効率の向上を実現した。しかし、既設の発電プラントでは、入り口側の温度を上げるためにはボイラ側の改修が必要となるため、この方法は使えない場合もある。

既設プラントの場合には、タービンや発電機部品などの改修や補修などにより対応を行っている。東芝では、ボイラの改造を行わずにプラントとして10%以上の出力向上を達成した例もあるなど、既設プラントの効率向上にも様々なノウハウを持っている。温室効果ガスの排出量削減のためには、こうした既設プラントの効率を向上させる技術も重要な役割を担う。

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