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生活を変え、ビジネスを変え、社会を変える東芝のAI


生活を変え、ビジネスを変え、社会を変える東芝のAI

この記事の要点は…

複雑化する社会課題の解決に、デジタル技術の活用が注目

デジタル技術の核であるAIで、50年以上の豊富な実績がある東芝

東京大学と共同開発したプログラムで、AI人材を育成

人工知能(Artificial Intelligence: AI)を取り巻く技術は高度に発展し、それを使う我々のリテラシーも向上している。そんなAIへの期待の高まりから、活用分野は大きく広がり、将来的にAIが活用できない分野を探すのが難しいほど、まさにAI時代を迎えたといっていいだろう。

東芝は、1967年の世界初のOCR(光学文字認識)郵便区分機開発から現在まで、音声認識、画像認識、音声合成、翻訳、対話、意図理解などの分野で、AI技術を発展させてきた。AI関連の累積特許出願数については5,223件と世界3位、日本1位であり(※1)、世界でも有数の企業だ。そして、新たなAI時代を迎えた現在、「共創」で技術を深掘りし、「現場」の課題に寄り添って技術開発する東芝のAIが高い評価を持って注目されている。

東芝のAI技術を生かしながらデジタルソリューション事業を牽引するキーパーソンと、AI時代を切り拓く若手研究者、それぞれにビジョンを語ってもらう。

※1 世界知的所有権機関(WIPO)発行「WIPOテクノロジートレンド2019」

社会課題の解決に貢献する、東芝のデジタルソリューション

グローバルでのデジタル化の進展によってあらゆるモノと人がつながり、産業構造が大きく変わりつつある。同時に、世界が直面する社会課題は複雑化・深刻化している。例えば日本では、少子高齢化が進み、2050年には人口が1億人を下回ると予測され(※2)、経済縮小や労働者不足などが懸念されている。これらの社会課題の解決に向けて政府だけでなく、企業活動に対する期待が高まっている。特にデジタル技術を起点とした、業界や国境の垣根を越えたオープンイノベーションが注目されている。

※2 平成30年版 情報通信白書

「日本では女性の活躍推進や、移民政策など様々な方法が検討されている最中です。業務の効率化をAI、IoTなどによるデジタル化でカバーする取り組みも始まっていますが、一方で使いこなせるデジタル人材の獲得は激しさを増しています」
そう語るのは、東芝でデジタルソリューション事業を統括する執行役専務 錦織弘信氏だ。

株式会社東芝 執行役専務 錦織 弘信氏

株式会社東芝 執行役専務 錦織 弘信氏

「21世紀が始まってからの20年間は、GAFA(※3)と呼ばれるICT(情報通信技術)の巨人たちの時代でした。彼らは、デジタルという新しい波にいち早く乗り、サイバー空間のビジネスの広がりと共に自らの成長を果たしてきました。そして、現在、サイバーとフィジカルが融合した領域に注目が集まっています。世界が直面している複雑化・深刻化する社会課題を解決していくためには、現実世界のデータをサイバー空間で分析し、現実世界にフィードバックすることで新たな価値を創出するデジタルトランスフォーメーションが必要とされています」(錦織氏)

※3 GAFA:Google、Apple、Facebook、Amazonといったアメリカを中心とするICT企業

東芝が目指すのは、このサイバー・フィジカル・システム(Cyber-Physical Systems: CPS) を基軸としたCPSテクノロジー企業だ。そして、このCPSの実現に不可欠なのが、AI技術なのである。

CPSとは、現実世界のデータをサイバー空間で分析し、活用しやすい情報や知識として現実世界にフィードバックすることで価値を創造する仕組み

CPSとは、現実世界のデータをサイバー空間で分析し、活用しやすい情報や知識として現実世界にフィードバックすることで価値を創造する仕組み

「東芝には、140年以上にわたるモノづくりの歴史と、50年以上のAI研究の実績があります。これは、サイバーとフィジカルの両方を長年にわたって手掛けてきたという事実に他なりません。デジタルだけの企業にはできない、層の厚いフィジカルでの経験と長年にわたり信頼関係を培ってきた顧客基盤もあります。顧客のデータをより深く解析し課題を理解できるからこそ、CPSで課題解決を実現できるのです」(錦織氏)

東芝が手掛けるCPSの事例として、イギリスの鉄道運営会社であるGreater Anglia社における鉄道運行計画作成のプロジェクトがある。これは、実際の鉄道の運行に関わる様々なデータに基づいて、サイバー空間に現実世界(リアル)の列車運行環境を忠実・精緻に再現する「デジタルツイン」を構築し、運行計画の分析、各種条件下でのシミュレーションを実施するものだ。

「実際の鉄道を使って行うことの難しい各種シミュレーションをデジタルツイン上で行うことで、遅延リスクを評価し、列車遅延リスクの低減を図ることができます。顧客利便性・顧客満足度の向上、経営効率の改善につながる運行計画の策定を実現していきます」(錦織氏)

デジタルツイン説明図

グローバル化や多様性が進む現代。そこにおける社会課題も複雑化している。求められる価値を創造し、本当の意味でその国や社会を豊かにするために、今、企業に求められるのは共創だと錦織氏は強調する。

「社会課題には、一企業だけでは越えられないものが多く、業界さらには国境を越えた連携を通して、新しい価値を生み出すことが大きな原動力になります。長期的な視点を持って、どのような価値観でイノベーションを起こすのかという、波長合わせを最初にしっかり行うことも重要です。スモールスタートで立ち上げて、ビジネススケールの変化に応じて柔軟に拡張していくなどのニーズも高まっています。東芝はこうしたアプローチで、グローバルにCPSを活用した課題解決に取り組んでいきます」(錦織氏)

また、東芝が音声・言語と、画像の両分野において技術を醸成してきたことも、AIの社会実装においてアドバンテージになると考えている。例えば、音声・言語の分野では、ネットワークに接続していなくても、家電などエッジデバイス上で、キーワード検出と話者認識を同時に行うAI技術の開発を進めている。処理能力に制約があるエッジデバイスでも、ユーザーの声を聞き分け、ユーザーに合わせた機器の操作が可能になるものだ。画像分析の領域では、病理組織画像に対してAIが胃がん細胞のリンパ節転移巣を検知する、千葉大学と東芝デジタルソリューションの共同研究などがある。さらに、医療や社会インフラなどクリティカル分野でのAI活用に際し、AIの推論根拠を提示し人の判断を支援する「説明可能なAI」の開発も重視している。

AIがユーザーを認識し、ユーザーに合わせた機器動作をする例(左)、AIによる画像解析結果(緑色部分が、がん転移領域)(右)

こうしたAIの社会実装をさらに加速させるために、東芝はグループ全体でAI技術者育成に取り組み、2022年度までに2,000人体制への増強を目指している。

「世界有数のCPSテクノロジー企業として、さらに社会に貢献していけるように、もっと多くのAI技術者を育てていかなければならないと考えています」(錦織氏)

> 世界が求めるAI技術者は、AI専門家に非ず

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