「豊かな価値」でお客様と東芝をつないでいきたい ~理念ストーリー We are Toshiba~

2020/10/28 Toshiba Clip編集部

この記事の要点は...

  • お客様や仲間と信頼関係を築く上で、コミュニケーションが何より大事
  • 安心・安全を提供し続けることで、東芝のファンを増やしていきたい
  • お客様の「パートナー」として、新しい未来をともに生み出したい
「豊かな価値」でお客様と東芝をつないでいきたい ~理念ストーリー We are Toshiba~

企業が持つ「理念」とは何なのだろうか。言葉を聞くと少し難しく聞こえるかもしれないが、それは一人ひとりが大切にし、日々実践しているものなのだ。ここでは、そんな「理念」を現場で実践し、東芝ブランドを育む社員の想いに迫る。今回は、東芝インフラシステムズの電機サービスセンターで電気設備の点検業務に携わる及川氏にインタビューした。数ある企業の中から「東芝」を選んでもらうために、そしてお客様との信頼関係を築くために、大切にしていることは何なのか。

就職氷河期の中で気づいた、「働く」ということ

−−東芝を志望した理由を教えてください。

私が就職活動をしていたころは「氷河期世代」と呼ばれ、就職することが困難な時期でした。不安な想いで就職活動をしていたとき、大学時代に出会った先輩から「働くというのは社会に貢献することだよ」と言われたのです。「そうか。自分が大事にしたかったことはこれだ」と、そのときハッと気づかされました。この先輩の一言がなかったら、全く違う人生を歩んでいたかもしれません。その後、「社会への貢献」を軸に、色々な会社を見ていくうちに、東芝に目が止まりました。当初は、家電製品のイメージしか持っていなかったのですが、実は社会インフラ事業を通じて人々の生活を支えていること、そして、「人と、地球の、明日のために。」という経営理念を掲げ、人々の生活・文化に貢献する企業を目指していることが、まさに目標とする方向と合致していると思い、入社を決めました。

 

−−入社後はどのような仕事をされてきたのですか。

府中事業所に配属となり、大学で学んでいた電子工学の知識を生かして社会インフラ設備の点検業務に従事してきました。受変電システムや発電システム、上下水道の監視・計装システムが対象で、お客様の所に伺い点検を行っています。ビルや施設の安定稼働にはなくてはならない仕事で、私が所属する課では年間約1,200件の点検・サービスを提供しています。点検作業は、設備を長時間止める必要があるため、長期の連休中や休日、夜間に行うことが多くなります。世の中の人たちが休んでいるときに働きますが、社会インフラを支える仕事を選んだ以上、それが使命だと思っています。

東芝インフラシステムズ株式会社 電機サービスセンター 府中事業所 受変電システム部 及川 聖哉氏(1)

東芝インフラシステムズ株式会社 電機サービスセンター 府中事業所 受変電システム部 及川 聖哉氏

入社5年で作業責任者に。お客様からかけられた言葉とは…

−−入社してからこれまでの間で、特に印象に残っていることはありますか。

入社5年目で現場の作業責任者になったことです。しかも80日間という長期にわたる点検業務でした。作業責任者は百戦錬磨のベテランが担当するのが一般的だったので、5年目でその役割を任されたときは正直とても不安でした。

それまでは先輩について一緒に仕事をしていたので、急に一人でやって来いと言われても「お客様と何を話せばいいんだろう……。聞かれたことに答えられなかったらどうしよう……」などと考え、作業前夜はなかなか寝つけず、朝早く目が覚めてしまうことがよくありました。そんな不安はお客様にも伝わるようで、初めて仕事を任せられたお客様との打ち合わせで、「入社5年目の責任者でこの仕事が務まるの?」と言われ、苦笑いしかできなかったのを今でも覚えています。しかし、「実際の仕事を見て信頼してもらうしかない」と決意し、お客様から度々入る急な依頼にも一つひとつ真摯に向き合い、全力で取り組みました。やっとのことで長期間の点検業務を無事に終え、最終日にお客様へ挨拶に伺うと、「長い間ご苦労さま。また来年も頼むよ」という思いがけない言葉をかけて頂きました。正直なところ、初回の打ち合わせでの厳しい言葉を引きずっていたので、予想外の言葉に驚くと同時にうれしさがこみ上げてきました。そして、自分の日頃の業務や対応を見て評価してくれる人が、必ずいるのだということを実感しました。これをきっかけに、お客様の立場で考え、期待に応えようという現在の私の仕事に対する考え方が出来上がったと思います。

東芝インフラシステムズ株式会社 電機サービスセンター 府中事業所 受変電システム部 及川 聖哉氏(2)

−−作業責任者という立場になって学んだことは何ですか?

受け身ではダメで、自分から動き、コミュニケーションを取っていくということです。チーム全員が一体となって業務を行うためには、チームメンバーとしっかり意思疎通ができなければなりません。しかし、自分より年上のメンバーも多く、どうすれば良い関係が作れるのか初めは悩みました。手探りの中、日々の挨拶や、仕事に関係のない身近なことでも、まずは自分から話しかけてみることから始め、技術的な面で分からないことがあれば、どんどん聞くようにしました。また、チームの代表として、お客様が本当に求めていることを把握することも作業責任者の役目です。言われたことをやるだけではなく、普段からお客様が考えていることや困っていることを、こちらから積極的に聞くことを心がけています。こういった日々の会話の積み重ねと、お客様の依頼に確実に対応していくことの積み重ねが、信頼関係構築につながっているのだと思っています。

それから何より「安全が最優先」だということです。現在、多いときで50名ほどのチームを組み、現場を取りまとめていますが、作業責任者として、チームの作業員全員の命は自分が守るんだという気概を常に持って業務にあたっています。

作業前の朝礼で重要事項を説明(写真中央が及川氏)

作業前の朝礼で重要事項を説明(写真中央が及川氏)

「目に見えない価値」にこそ強みがある

−−仕事をする上で大事にしていることは何ですか。

チーム一体となって現場の仕事環境を良くすることはもちろんですが、お客様と東芝をつないでいくことを一番に考えています。システムが納入されると、次の更新は30年後といったものも多くあります。その間に定期点検などで、継続してお客様の所に通えるという、サービス技術者にしかできない機会を大切にし、「次回のシステム更新も東芝を選んでほしい、東芝の良さを伝えたい、東芝のファンになってほしい」そういった思いを持ってお客様に接しています。しかし、東芝製のシステムだからといって、必ずしも東芝に点検依頼がくるわけではありません。自社で点検するお客様もいますし、競合他社とも常に厳しい競争をしています。そんな中でも、私たち東芝を選んで頂くためには、何か付加価値がなければ成し得ません。

東芝グループの経営理念の中に「豊かな価値を創造し、世界の人々の生活・文化に貢献する」という言葉があります。点検作業が無事に終わったとき、「異常ありません」という報告に対して、お客様から「ありがとうございました」という安堵の言葉を頂きます。このとき、目に見えない「安心感」という価値をお客様に感じ取って頂いているように思います。これが私たち東芝だからこそできる「豊かな価値を創造」することにつながっているのだと思っています。

 

−−「私たちの価値観」の中では何を一番大切にしたいですか。

「ともに生み出す」です。私たちの仕事は、お客様の要求にしっかり応え、対応すること。そのためには、お客様が求めていることを正確にキャッチする必要があります。その上で私たちがご提案し、一緒に最善のものを作り上げていくことができればと思っています。昔は多少高価でも壊れにくいものが求められていましたが、最近では低コストかつ安全性が高いものと、お客様のニーズも時代により変化しています。大切なのは、そういった変化にいち早く気づき、変化に応じた新しい形を一緒に作り上げていくこと。お客様とは、単なる発注者と受注者ではなくパートナーのような関係で、ともに新しい未来を生み出していきたいと考えています。

 

−−東芝に入って良かったことは何ですか。

若いうちから責任者としての業務を経験できたことです。どれくらい責任のある仕事を経験できたかで、人の成長速度は大きく変わってくると考えています。私の職場では、若手に責任ある仕事を積極的に任せる機会が増えてきています。それが可能なのも、東芝には長年培ってきた高度な技術があり、専門性を持った先輩から直接指導を受けられる環境、さらには一体となって業務を遂行する組織力・総合力があるからだと思います。

 

−−今後の目標についてお聞かせください。

最近は目に見えるモノよりも、目に見えない価値を重要視する時代に変化してきたと思います。私たちの仕事で言うと、点検という業務を遂行するだけでなく、安心感という目に見えない価値をお客様にずっと感じて頂くことです。そのためには、次回の更新までの長い期間に担当者が変わっても、技術を継承し、お客様のシステムに対する不満や要望を伺いながら、改善し続けることができるかが重要となります。そんな安心感の提供を通じて、「ともに生み出す」東芝のファンを増やしていきたいです。

東芝インフラシステムズ株式会社 電機サービスセンター 府中事業所 受変電システム部 及川 聖哉氏(3)

東芝グループ理念体系

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