サバンナから湧き出る地熱が アフリカ経済を加速する

2016/10/05 Toshiba Clip編集部

この記事の要点は...

  • アフリカで地熱発電開発が盛んに
  • 東芝は地熱発電設備の世界トップシェアの約23%(注)を供給
  • 日本企業はアフリカ開発会議を通して支援
サバンナから湧き出る地熱が アフリカ経済を加速する
(注)数値は発電設備容量ベースで算出
   出典:Bloomberg New Energy Finance(2016年5月)
   以下(注)同様

 

未知なる天然資源に恵まれ、経済が急成長を遂げているアフリカ。若年比率が高い人口構成、地方へと広がる都市化の波、電化率の著しい向上など、快適な暮らしを求めようとするアフリカの熱気は目覚ましい。

しかしながら、社会の根幹を支える発電設備は日本など先進国と比較すると、一人当たりおよそ10分の1~100分の1というのが実態であり、安定的かつ国内に存在するエネルギー源を活かした電力供給が緊急課題となっている。

 

こうした背景のもと、現在アフリカの大地溝帯(グレートリフトバレー)周辺地域に存在する地熱活用に熱い視線が注がれている。

ケニア オルカリア

今回、フォーカスするのはケニアの首都・ナイロビから北西100kmにあるオルカリア。一帯はアフリカを縦断する大地溝帯(グレートリフトバレー)のほぼ中心に位置する火山地帯だ。
大地の裂け目、つまり地球の内側からガンガン湧き上がる地熱そのものが、エネルギー源。熱気立ち昇るアフリカ経済を象徴するかのような熱い場所なのだ。

 

オルカリアの地熱発電は、ケニア政府が掲げるエネルギープラン「Vision2030」の目玉だ
同国の電化率は現在56%程度だが、2020年までに70%達成が目標。

 

途上国から中開発国への発展を目指す同プランに沿い、2015年1月までにオルカリア1号地熱発電所、4号地熱発電所が相次いで営業運転をスタートさせた経緯がある。
このサバンナにある地熱発電所こそが、ケニア国内の総発電設備容量の約20%に相当する280MW(メガワット)の電力を供給するビッグプロジェクトになったのだ。

アフリカで地熱発電が見逃せないエネルギー供給源になる理由

これまで、アフリカの発電所は水力発電が大多数を占めていた。
しかし、昨今の異常な干ばつなどによる水不足が慢性的になっているため、稼働は不安定。安定した電源として、水力発電に代わる安定的な電源の確保が急務だった。

 

そこで白羽の矢が立ったのが地熱発電だ。日本でも豊富な地熱資源を利用した安定供給電源として期待が高まっており、国内地熱発電プラントの新規開発も進行中。しかし、アフリカの地熱発電スケールはケタが違う。

 

日本では八丁原発電所(大分県)の110MWが最大規模だが、今回のオルカリア1号・4号はその約2.5倍もの発電パワーを誇る

ケニア オルカリア 地熱発電

地下の坑井から噴出する天然蒸気を利用してタービンを回すことで発電する地熱発電は、CO2の排出が少ない再生可能エネルギー。
環境保全につながるだけではない。再生可能エネルギーの中でも、天候や時間帯などに左右されない90%超の稼働率を誇る安定した電力供給をもたらしてくれる

 

まさに、21世紀に急成長を遂げていくアフリカにふさわしいインフラといえるだろう。ケニアはアフリカに於ける地熱事業のリーダーであり、周辺国のエチオピア、ジブチ、タンザニアなどもケニアに続けと地熱開発に注目している。

 

東芝は、この地熱発電システムの開発で50年以上の実績を誇っており、世界全体で稼働している地熱発電容量のうち世界トップの約23%(注)に相当する設備を供給している

 

今回のオルカリア1号・4号にも、主要機器である地熱蒸気タービンと発電機を納入した。しかしもちろん、地熱発電はアフリカビジネス伸長のほんの一端だ。

ケニア オルカリア 地熱発電

世界の地熱発電の23%(注)を支える東芝が、アフリカでエネルギー開発を支援

東芝は今年8月初旬にジブチの地熱開発公社、続く今年8月下旬にウガンダのエネルギー鉱物開発省と地熱開発にかかるMOUを締結
主要機器の開発・供給などに加え、人材育成でも地熱発電事業に貢献していく。

 

また、東芝電力流通システム・インド社はケニアで8,000台の配電用変圧器を受注した。これまで培った地熱発電技術などを通し、アフリカのエネルギー施策をバックアップしているのだ。

 

8月27~28日にケニア・ナイロビで開催された「第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)」の公式イベント「ジャパンフェア」でも地熱発電の展示を行い、参加者から高い注目を集めるとともに東芝のアフリカ地熱発電へのアシストを鮮明に打ち出した。

 

このTICADVIは、1993年にスタートした日本が主導するアフリカ開発支援会議であり、例年日本で開催されていたが、今年は初めてアフリカで開催された。

 

アフリカ経済、インフラが発展することは、日本にとっては「貿易・投資の拡大」にも直結していく。
東芝は地熱をコアとしてアフリカ地域の電力インフラの充実に貢献し、アフリカ大陸の大きな発展へこれからも貢献し続けていく。

ケニア オルカリアの子供たち

広大な大陸から湧き出る地熱。アフリカというエネルギーフロンティアからは、ビジネスチャンスも無尽蔵に湧き上がっている。

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