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元東電社員の奮戦 太陽光発電がけん引する、被災地の再生


元東電社員の奮戦 太陽光発電がけん引する、被災地の再生

この記事の要点は…
復興は物の支援から仕組みの支援に

震災から2年の節目に開業

自然エネルギー体験の場として設計

東日本大震災によって甚大な被害を受けた福島県南相馬市。復興に向けたさまざまな動きの中で、再生可能エネルギーの普及・啓発と次世代の人材育成を掲げて始動したのが「南相馬ソーラー・アグリパーク」である。

大規模な太陽光発電を整備し、そのエネルギーで植物工場を稼働。さらに、子どもたちの学びの場である体験ゾーンも併設する。エネルギーを地域に循環させるだけではなく、復興のさらに先、未来を担う人材を育成する仕組みづくりを進めるのが、一般社団法人「あすびと福島」代表の半谷栄寿氏だ。今回は、半谷氏とメガソーラー設備の導入を手がけた東芝太陽光事業の新井本武士氏との対談を通し、「南相馬ソーラー・アグリパーク」が大震災から2年目にして始動するまでの奮闘を追う。

一般社団法人あすびと福島 代表理事 半谷栄寿氏

一般社団法人あすびと福島 代表理事 半谷栄寿氏

未曾有の震災から5年――3.11から続く地域復興への思い

一般社団法人 あすびと福島 代表理事 半谷栄寿氏(以下 半谷) 東日本大震災から5年がたち、風化も懸念されていますが、復興はまだまだこれからです。被災地では、私たち「あすびと福島」が東芝さんの協力を得て立ち上げた「南相馬ソーラー・アグリパーク」をはじめ、復興に向けた取り組みは今なお続いています。

東芝 新井本武士氏(以下 新井本) 半谷さんは南相馬市のご出身ということで、まず個人的に復興に尽力されたと伺っています。震災直後は2トントラックを運転し、南相馬に支援物資を届けられていたそうですね。

半谷 私の最初にやるべきことでした。私は2010年まで東京電力の新規事業の担当役員を務めておりました。既に退職していたとはいえ、福島第一原子力発電所の甚大な事故は胸を痛めました。2016年の今なお、まだ8万人もの方が避難生活を余儀なくされています。この事態に対して、私は生涯、責任を背負っていかなければいけません。

新井本 そこで構想されたのが、福島の復興を担う若い人材の育成でした。半谷さんは、震災前から環境NPOとして森林の間伐などを行う「森の町内会」活動を継続していました。その活動には、東芝もCSR活動の一環として参画していました。そのご縁があり、「南相馬ソーラー・アグリパーク」の立ち上げに際してもお話をいただいたんですよね。

半谷 そうなんです。子どもたちの成長のために考えたのは、誰もが賛同する自然エネルギー体験。特に、太陽光発電の体験学習を構想した時、真っ先に浮かんだのが東芝さんだったんです。元東電の半谷ではなく、環境NPOとしてご一緒している半谷として、東芝さんに支援をお願いしたところ、快諾していただいた経緯があります。既に震災発生から数か月がたっており、支援物資の役割は終わろうとしていました。真の復興を目指すためには、物の支援よりも仕組みの支援が必要になる――東芝さんの認識と私の思いが一致し、パーク建設に向けた取り組みが始まったのです。

東芝 新井本武士氏

東芝 新井本武士氏

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