この記事の要点は…
✓ 実用化にこぎ着けたエジソンの電球には京都の竹が用いられていた!?
✓ 糸魚川静岡構造線で周波数が50Hzと60Hzに分かれている理由とは?
✓ 電気は「財物」? 1910年代、法曹界に議論の嵐が巻き起こった!
今からちょうど140年前の1878年のこと。日本で初めて電灯に明かりがついた。この点灯に関わったのは、工部大学校(※)の教授ウィリアム・エドワード・エアトンとその教え子たち。燃焼による炎の「ともしび」から、電気による明かり「電灯」へと転換するきっかけとなった出来事であった。
※現在の東京大学工学部
この教え子のうちの一人が東芝の創業者の一人である藤岡市助。日本の電気事業に多大な影響を与えた人物だ。今回、藤岡らが築き上げた電気事業の草創期を探り、意外と知らない電気の秘密に迫ろう。
日本で初めてアーク灯と呼ばれる電灯を点灯させたエアトンは一体どのような人物だったのだろうか。
エアトンは1873年、工部大学校の前身である工部寮に赴任。明治政府が工学教育の振興策に力を入れる中、「お雇い外国人」としてイギリスから招へいされた優秀な教授陣のうちの一人だった。
エアトン
エアトンの講義は厳格で、知識を学ぶだけでなく自ら考える能力を強く求めたといわれている。あるとき、誰でも解答できそうな簡単な問題数個と、授業でも教えていない難問からなる物理学の試験が行われたことがあった。
藤岡は難問だけに集中したものの解けないまま答案を提出。しかしエアトンはこれに満点を与えた。
「教えたことは誰もが分かっているから試験をする必要はない。教えないこともどれだけ理解しうるかを試すのが真の試験である」、「点数の争いなどスクールボーイの仕事だ」というのがエアトンの考えだったのだ。
エアトンや藤岡らの点灯に始まったアーク灯は、実はその光の強烈さから人々からあまり歓迎されず、1840年ごろからアーク灯よりも人の目に優しい白熱電球の開発が期待されるようになる。
白熱電球の一つ「炭素電球」の実用化に世界で初めてこぎ着けた人物の一人がトーマス・エジソン。だが、1879年、エジソンが炭素粉末とタールを材料にしたフィラメントを用いて点灯させたとき、たった2時間しか持続しなかった。そこで彼は安定性のあるフィラメントの材料を探し求めた。
1年後、エジソンは最も優れた材料を発見した。それは京都の八幡竹だ。後にエジソンは「少なくとも6,000種の植物をテストし、最適なフィラメント材料を見つけるべく、世界中をくまなくあさった」と語っている。
川崎にある東芝スマートコミュニティセンターには同じ石清水八幡宮から譲り受けた竹が植えられている
日本初の炭素電球は、藤岡市助が12個の竹フィラメントを用い完成させた。エジソンが京都の八幡竹を見つけてから、ちょうど10年後の1890年のことだった。
日本初の炭素電球
青年技能者の日本一を競う技能五輪 挑戦する若者たちと見守る先輩たち
応援する心はきっと届く! 東芝野球部を46年間見守った笑顔
五感を使って親子で楽しい食事を! Foodtechへの新たな挑戦
インドのライフライン 「母なるガンジス川」が蘇るテクノロジー
工場にアカテガニがやってきた! ~生物多様性保全への取り組み~
「東京都トップレベル事業所」に選出 東芝・府中事業所の5つの実験的取り組みとは!?
見て、考えて、動く! 受け継がれるロボットづくりのDNA
渋谷のイメージが大きく変わる! 学生視点とデザイン思考の化学反応
アイデア創出でつながる若手 パッションが生み出す技術コラボ
モーションキャプチャで探る 技能の匠の動きの秘密
事業所のある町物語 ~東京都府中市~ 日本のモノづくりを支えた郊外都市
デザイン思考×SDGs 驚きのビジネス活用術!
帰郷した名機関車は何を想う ブルートレインをけん引した「EF65 535」
逆境をチャンスに! 受け継がれる超電導技術の未来とは?
電気抵抗ゼロの世界 超電導技術の大いなる飛躍
ここにも出雲大社の神様が! 人気商業施設との意外な関係
海芝浦 閉じられた地の開かれた想像力
モノづくり現場の「技」の伝承 若きホープと匠の絆
SDGsの取り組みがもたらす、 新たな世界の姿とは
マンホールアプリ「Manhoo!」が 生み出す新たな情報の姿とは?
ヤギ・ひつじでCO2削減!? 緑地から広がるCSRの種
東芝 技能の人 ぶれない「技」への思い
東芝 技能の人 明日へのメッセージ
なぜ漢字は正しく変換できる? 今日に生きる日本語入力技術のルーツ
次世代の科学リーダーが集結! 日米高校生の未来アカデミー
僕らの未来はここから始まる 歴史と科学と楽しく触れあえる「東芝未来科学館」
ジャパンラグビーを育てた 廣瀬選手が語る究極のリーダー論
イノベーション推進部署を「出島」にするな! 個と組織が響き合う鍵
基礎研究と製品開発、二人の技術者が拓く、待望の自動運転の未来
CO₂(二酸化炭素)は回収して 大気への放出を防ごう
青年技能者の日本一を競う技能五輪 挑戦する若者たちと見守る先輩たち
持続可能で環境に調和した エネルギーへの期待
東芝がソリューション提案する アフリカのエネルギー
サイバー空間に工場をつくる?! シミュレーションで創る、最適な製造現場
応援する心はきっと届く! 東芝野球部を46年間見守った笑顔
地上に太陽を作り出す!? 夢のエネルギー・核融合の最前線
自動車産業に変革をもたらす! 「スポット溶接検査ロボット」とは?
五感を使って親子で楽しい食事を! Foodtechへの新たな挑戦
あなたの知らない機械翻訳の世界 日本の知財戦略を支える翻訳システム
量子コンピューター研究から生まれた 組合せ最適化の新解法
声が瞬時に文字になる! AIで変わる日本の働き方
ビルの保全にもクラウド×AI革命 東芝が提供する解決策とは
インドのライフライン 「母なるガンジス川」が蘇るテクノロジー
川にホタルが帰ってきた―― 5年間の知られざる環境活動とは
【講演レポート】2019 Japan IT Week 「東芝が考える、日本のDX」
バーチャルパワープラントから見えた 新時代ビジネスの鼓動
ハッカーから社会インフラを守れ! サイバーセキュリティ最前線
データの戦いは始まったばかり! 最高デジタル責任者が語る東芝の挑戦
センサーで橋梁の健康をチェック! インフラヘルスモニタリングとは?
病巣にピンポイント照射 がん治療に新たな可能性を拓く
保守サービスに秘める自信と誇り -火力発電所震災復旧の裏側編-
見えない発電所 バーチャルパワープラントとは?
停電を防ぐカギ! 電気の仕組みと電力貯蔵入門
保守サービスに秘める自信と誇り -社会インフラを支えるインフラ編-
東芝の技術者が教える 半導体開発入門
工場にアカテガニがやってきた! ~生物多様性保全への取り組み~
サイバーとフィジカルの融合 技術トップが語る未来像(後編)
マークのついているリンク先については別ウィンドウで開きます。