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停電を防ぐカギ! 電気の仕組みと電力貯蔵入門


停電を防ぐカギ! 電気の仕組みと電力貯蔵入門

この記事の要点は…

電力貯蔵技術は停電を防ぐために欠かせないものの一つ!

なぜ大量の電気を貯めることは難しいのか。

電池は電気そのものを貯めていない!?

地震など不慮の災害により、停電が発生するケースは決して珍しいことではない。その理由の一つは発電所の稼働が停止して電力供給量が激減する一方で電力需要は変わらないから、すなわち、需給が一致しなくなることが停電につながるのだ。また、昨今では再生可能エネルギーの活用も切に求められているものの、太陽光や風力による発電は気候などに依存しているため電力供給量が安定せず、この面からもやはり需給の一致が難しく、停電につながる可能性がある。

こうした課題を克服する手段として注目されているのが電力貯蔵技術だ。だが、実は電気は大量に貯められない。なぜ電気は貯めることができないのか。貯められないのならば、スマホの電池などはどのように電気を貯めているのか。今、最も重要視されている技術の秘密に迫ろう。

電気を貯められない理由

大量の電気を貯められないのは、電気の性質上、動きが早く、発電した瞬間に電気使用者の元に届いてしまうから。
ここで電気についての理解を深めるため、おさらいとして、読者の皆さんも中学校で習ったであろう「右ねじの法則」を思い出してほしい。これは電流と磁界(磁気の働く空間)の向きの関係を表した法則だ。物体が帯びている電気の量を電荷といい、この電荷が動くこと、すなわち電流が流れると磁界(※)が発生する。そして電流の大きさや向きが変化すると磁界も変化して電界(※)が生まれ、それによりまた磁界が生まれるというように、これら二つが交互に発生しながら波のように伝わっていくのが電磁波である。そしてこの電磁波が伝わるということが、電気が流れるということでもある。

電流により磁界が発生する関係を示した右ねじの法則(左図)と、電磁波の解説図(右図)

電流により磁界が発生する関係を示した右ねじの法則(左図)と、電磁波の解説図(右図)

※電界とは電圧がかかっている空間の状態のこと、磁界とは磁石の周りなど磁気が働く空間の状態のこと。

反対に、磁界の発生により電荷を動かすこと、つまり、電気を発生させることも可能だ。発電所では、ローターと呼ばれる電磁石を回転させ、ステータと呼ばれるコイルの電荷を動かす。発電所では電磁波を作ることで、電気を発生させ、送り出しているのだ。

発電所では電磁波を生み出すことで電気を発生させる

発電所では電磁波を生み出すことで電気を発生させる

電磁波には様々な種類があり、電力のみならず、光やX線なども挙げられる。真空状態における電磁波の伝播速度はいずれも30万km/秒。光と同じ速さだ。
つまり、発電所で生まれた電磁波は光速で送電線に沿って私たちの元に伝播される。
送電線に沿って電磁波が瞬時に伝わることで、送電線中の電荷が一斉に動かされるのである。

発電所で生まれた電磁波が光速で送電線に沿って私たちの元に伝播されるイメージ

貯められない電気をいかにして貯蔵するか――これは、電気が使い始められた時から切実に求められているものなのだ。

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