設計品質を守る最後の砦として、誠実であり続ける ~理念ストーリー We are Toshiba~

2021/01/29 Toshiba Clip編集部

この記事の要点は...

  • リチウムイオン電池の検証試験に従事
  • 技術とスケジュール管理に対して「誠実であり続ける」
  • 検証結果の予測を自分で立てられたとき、検証試験の楽しさを感じる
設計品質を守る最後の砦として、誠実であり続ける ~理念ストーリー We are Toshiba~

企業が持つ「理念」とは何なのだろうか。言葉だけを聞くと少々難しく聞こえるかもしれない。しかし、それは一人ひとりが大切にし、日々実践しているものなのだ。ここでは、そんな「理念」を現場で実践し、東芝ブランドを育む社員の想いに迫る。今回は、電気自動車や自動搬送ロボット(AGV)などに搭載されている高い安全性や急速充電を実現した東芝のリチウムイオン電池SCiB™の設計に携わる黒須氏にインタビューし、主に製品の性能や安全性の検証試験に携わる彼が、仕事をする上で大切にしていることを聞いた。

セールスエンジニアを経て設計部門で製品の検証を担当

——大学院では何を専攻されたのですか。

 電気・電子工学専攻で、主に炭素系材料の研究をしていました。就職活動で東芝が二次電池のセールスエンジニアを募集していることを知り、自分が学んできたことが生かせるのではないかと考えて、東芝を志望しました。

 

——電池のセールスエンジニアとは、どんな仕事なのでしょうか。

 電池事業部のお客様は、電力会社、鉄道会社、自動車メーカーなど多岐にわたります。それぞれを担当する社内の部署と情報を共有しながら、お客様の要求を開発仕様に落とし込み、設計部隊とお客様の橋渡しをするのがセールスエンジニアの仕事です。

 最初に電池事業部に配属になったとき、自分が専攻していた以外の様々な分野に取り組まねばならず、新たに覚えることも多くとても苦労しました。先輩社員の指導を受けながら仕様書をつくるなどして知識とスキルを身につけ、なんとか仕事ができるようになりましたが、今振り返ると当時は、「お客様が何を実現したいのか」を深く掘り下げて考えることができていなかったように思います。

株式会社東芝 電池事業部 電池システム開発部 電池システム開発第一担当 黒須 雅浩氏(1)

株式会社東芝 電池事業部 電池システム開発部 電池システム開発第一担当 黒須 雅浩氏

——現在はどのような仕事を担当されているのですか。

 府中事業所でリチウムイオン電池 SCiB™の設計部門に所属しています。 SCiB™は、鉄道などのほか、最近話題になっている電気自動車や、倉庫などで使われる自動搬送ロボット(AGV)などにも使われています。私が担当しているのは、サンプル品など電池の性能や安全性の検証です。一般的にリチウムイオン電池に使われる電解液は可燃性で、過充電などで温度が上がると発火することがあります。そうならないよう電流を遮断できるか、あるいは低温のときにどれだけ容量を出せるか、電流の入出力は正常か、振動や衝撃への耐久性は…といった検証をしています。

自動搬送ロボットなどに使用されるリチウムイオン電池パック(SCiB™)

自動搬送ロボットなどに使用されるリチウムイオン電池パック(SCiB™)

何事も曖昧にせず、誠実であり続ける

——黒須さんが仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

 何事も曖昧にせず、誠実に事実に向き合うこと、東芝グループ理念体系でいうと「私たちの価値観」にある「誠実であり続ける」ことですね。設計して出来上がった製品の検証試験では、判断に迷うデータが出てくるときもあります。例えば、検証結果に設計ばらつきの範囲で懸念がある場合、関係者に言いづらいときもありますが、そこでうやむやにするのは絶対に良くありません。私が妥協したり不具合を見逃したりすることで、問題のある製品がそのまま世に出てしまいます。そうならないためにも、データに少しでも懸念があれば、それをいち早く関係者にフィードバックすることを心掛けています。自分が東芝製品の設計品質を保証する最後の砦なのだという気概を持って、日々仕事をしています。

 もう一つ大切にしているのは、スケジュール管理です。プロジェクトを計画通り進めるために、いつまでに誰が何をやるかを時系列ですべて書き出し、見える化する。そして遅れているものについては、その原因が技術的な問題か、人手の問題かを明らかにして対策を立て、誰がいつまでに対応するかを決める。ここを曖昧にしていると、お客様に迷惑をかけるだけでなく、余計な費用がかかり、気がついたときには手遅れになってしまいます。そういう最悪の事態は何としてでも避けたいので、会議では冒頭に「私は今日これを決めたいです」と宣言し、曖昧さを排して、誰がいつまでに何をやるかを決めて、見える化するように心掛けています。スケジュールを厳守することに対しても、「誠実であり続ける」ことを大事にしています。

 

——仕事で楽しいと感じる瞬間はどんなときですか。

 自分で主体的に考えて検証結果の予測ができるようになってきたときですね。試験をする前に結果を予測することは設計検証をする上で重要なことです。予測をしないで試験をすると結果が正しいのか判断がつかなくなってしまうこともありますからね。自分の予測が実際に合っていると自信につながりますし、ますます仕事が面白くなります。そういう経験を積むことで着実に成長できていると感じています。今の自分があるのも、技術力の高い先輩方がしっかり教えてくれたことが大きいです。

株式会社東芝 電池事業部 電池システム開発部 電池システム開発第一担当 黒須 雅浩氏(2)

再びセールスエンジニアに挑戦し、新しい未来を始動させたい

——東芝の電池事業を、社会においてどのような存在にしていきたいですか?

 東芝の電池事業を社会インフラの維持・充実、ひいては地球環境に貢献するトップランナーにしたいと思っています。その前提として、しっかりと利益も上げられる会社になることが必要だと思っています。価格競争に巻き込まれて価格がどんどん安くなると、事業として存続できなくなり、長い目で見るとお客様にとってもリスク要因となります。そのため、お客様と常に良好な関係を構築することが大切だと思います。

 

——今後の目標・抱負を聞かせてください。

 現在は設計の中でも最終段階である、製品の検証を中心に担当していますが、いつか前工程の設計段階から携わってみたいと思っています。前工程から携わることで、3次元熱解析などによる詳細な温度計算を考慮して、より効率的に、安全で高性能な SCiB™ の開発に貢献したいと考えています。その上で、いずれは再びセールスエンジニアとして働きたいと思っています。お客様がどのようなものを望んでいるのかを考える仕事は、やはり楽しいですからね。設計でいろいろな経験を積んだ今だからこそ、セールスエンジニアとしてもっと多くのことができるのではないかと思います。

株式会社東芝 電池事業部 電池システム開発部 電池システム開発第一担当 黒須 雅浩氏(3)

東芝グループ理念体系の図

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