安全・安心に対し、どこまでも誠実であり続ける ~理念ストーリー We are Toshiba~

2021/03/26 Toshiba Clip編集部

この記事の要点は...

  • 昇降機のフィールドエンジニアとして、人々の日常を支えている
  • 「誠実」に仕事をしていくことがお客様の安全・安心につながる
  • 「なぜそうなるのか」をともに考えることで、「変革」を生み出していく
安全・安心に対し、どこまでも誠実であり続ける ~理念ストーリー We are Toshiba~

世界一高い自立式電波塔「東京スカイツリー®」をはじめ、国内外の様々な建物に納入されている東芝製の昇降機(エレベーターやエスカレーター)。高いビルなどの多い都市生活では欠かすことのできない昇降機を支える裏側には、その安全性と快適性を守るフィールドエンジニアの姿があった。東芝グループの理念を体現する仲間に迫る社員の理念ストーリーシリーズ。今回は、東芝エレベータで昇降機の保守点検に携わる梅村氏にインタビューし、彼が日々どんなことを大切にして仕事をしているのか、聞いてみた。

「当たり前」を支える一員としての誇りとやりがい

−−東芝エレベータに入社しようと思った理由は何ですか。

高等専門学校在学中に、東芝が開発した世界最高速エレベーター(2004年当時)が台湾の超高層ビル「TAIPEI101」に納入されたというニュースを見て、「こんなにすごい技術を持つ会社で働きたい!」と思ったのがそもそものきっかけです。私は小さい頃から動くものが大好きで、そのニュースで昇降機内部の構造にも興味がわきました。また、東芝はテレビCMなどで親しみがあったこともあり、入社を決めました。

東芝エレベータ株式会社 東京支社 東京南支店 五反田営業所 梅村 健二氏

東芝エレベータ株式会社 東京支社 東京南支店 五反田営業所 梅村 健二氏

 

−−入社前と後で、仕事に対するイメージに変化はありましたか。

入社前は、エレベーターやエスカレーターは正常に動くのが当たり前だと思っていました。しかし、そのためには、日々メンテナンスを行う人がいてはじめて、安心して安全に利用できているのだということを知りました。そんな社会を支える側の一員になったことは、私の誇りであり、やりがいでもあります。

その一方で、エレベーターの保守点検作業は高所で行う作業も多く、エレベーターのカゴ(人が乗る部分)の上に乗ることもあります。作業手順を逸脱すると危険を伴うこともあるため、入社時の導入教育では、何よりも安全が最優先されることを繰り返し教わりました。ご利用者様に安全・安心を提供するためには、まず自分たちが安全に作業する必要があるという自覚を、入社して身につけることができたと思います。

 

−−実際の保守点検作業はどのように行うのですか。

私が所属する五反田営業所は、東京都の品川区内や目黒区内に設置されている東芝製昇降機の保守点検を担当しています。設置場所は、オフィスビル、マンション、商業施設、病院、ホテル、駅など多岐にわたり、それぞれ年1回の法定検査に加え、お客様ごとの契約に基づいて定期的にメンテナンスを行っています。具体的には機器の動作や状態の確認、振動の有無、部品の定期交換などで、それらをお客様とお約束した時間内に行うことが求められます。点検頻度や点検方法が細部まで定められているので、マニュアルに沿ってしっかりとチェックします。

メンテナンスは、1日平均4〜5台、多い日で6台くらいのペースで行っており、昇降機の設置場所によっては夜間や早朝に作業を行うこともあります。昇降機は昼夜問わず稼働しているため、夜間や休日を含めて営業所全体でシフトを組み、不具合や万が一の自然災害などに備えた体制を構築しています。

コロナ禍では毎度マスクをして作業を実施。

コロナ禍では毎度マスクをして作業を実施。

お客様からの「ありがとう」が何よりの喜び

−−仕事をしていて、やりがいを感じるのはどんなときですか。

お客様から労いや感謝の言葉をいただいたとき、この仕事をしていて本当に良かったなと思います。点検作業後に、「この前はありがとう」「いつも安心して利用できていますよ」という言葉をいただくと、何よりのモチベーションになりますね。不具合が発生して、お客様からお叱りを受けることもありますが、機器の状況などをお伺いしながら、速やかに復旧して満足いただけると、やはり嬉しく思います。お客様に安心して安全かつ快適にご利用いただくことに対して、どこまでも「誠実であり続ける」こと。それ以外にお客様から信頼していただく方法はないと思っています。

東芝エレベータ株式会社 東京支社 東京南支店 五反田営業所 梅村 健二氏(2)

 

−−「誠実であり続ける」ために、仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

事前準備をしっかりとすることですね。何年か前に、社内のテクニカルマスターズという技量競技会に出場しました。開発設計や製造、保守、整備、営業など、様々な部門の中で技術を競う全国大会なのですが、そこで「エレベーター法定検査作業」と「ブレーキ品質確認作業」の2競技で1位を受賞することができました。チーフと私の二人一組で出場したのですが、確認する点や改善点など、お互いに話し合って事前の準備を十分に行ったことが金メダルにつながったと思います。この結果は、喜びと同時に、大きな自信になりました。そして何より、この経験を通して、事前準備の大切さを改めて学ぶことができました。現場では、日々さまざまなタイプの昇降機を点検します。品質を保ちながら、時間内に作業を終わらせるためには、事前に資料に目を通し、必要な工具や測定器などを確実に用意しておくことが不可欠です。これをきちんとしておけば、現場で慌てることなく、自分自身の安全を守ることにもつながります。入社したとき、「仕事は事前準備が8割」と教わりましたが、まさにその通りだと思います。

 

−−エレベーターはどんどん進化しています。その変化についていくのは大変ではないですか。

大変というより、興味のほうが大きいですね。エレベーターは安全性能に加えて、省エネ性能や地震・火災・停電時の管制運転や早期復旧、昇降時の振動の少なさなども進化しています。時節柄、衛生・清潔仕様にも関心が高まっています。新機種や新技術が登場すると、当然点検項目も変わってきますので、積極的に手順のシミュレーションなどを行い、自分でも研究しています。時代の変化とともに新しい技術に触れられるところも、この仕事の面白いところです。

法定検査作業競技中の梅村氏(写真奥)。研修施設内に設置された旧方式のエレベーター実機にて、 制御盤を開き絶縁抵抗を測定中(撮影時:2017年)

法定検査作業競技中の梅村氏(写真奥)。研修施設内に設置された旧方式のエレベーター実機にて、
制御盤を開き絶縁抵抗を測定中(撮影時:2017年)

「なぜそう思う?」が変革につながる

−−梅村さんが今後も大切にしていきたいことは何ですか。

東芝グループが大切にする価値観の一つ、「変革への情熱を抱く」ということです。私は今、入社1年目の新入社員と一緒に客先を回っているのですが、「自分が正しいと思ったことは、遠慮なく伝えてほしい」「疑問に思ったことは何でもいいから聞くように」と言っています。しかし質問されたら、すぐ答えを示すのではなく、「なぜそう思う?」と質問を返すようにしています。そうすることで、まずは自分自身で答えを探す習慣がつきますし、私も、彼らの新鮮な視点に新たな気づきをもらうこともあります。そうやってお互いに刺激を受けながら一緒に考えることで、ともに成長し、変わることができます。「変革」というとちょっと大きな話に聞こえますが、こうした日々の業務で小さな変革を積み重ねていくことが大切ではないでしょうか。

 

−−今後、東芝エレベータをどのような会社にしていきたいですか。

先進のテクノロジーで安全・安心・快適な昇降機を世界に届ける、グローバル企業にしていきたいですね。「東芝の昇降機は安全で信頼できる」と世界中の方々から言っていただくことが理想です。そのためには、しっかりとした保守点検作業が不可欠で、その一翼を担っている私も、自分が行う作業に強い責任を持たなければいけないと感じています。これからも安全・安心に対し「誠実であり続ける」ために、更に技術力を磨いていきたいと思います。

東芝エレベータ株式会社 東京支社 東京南支店 五反田営業所 梅村 健二氏(3)

東芝グループ理念体系

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